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モノシリンの3分でまとめるモノシリ話

モノシリンがあらゆる「仕組み」を3分でまとめていきます。

作者の連絡先⇒ monoshirin@gmail.com

もしもラグビー日本代表がラッパーだったら

ラップでまとめるシリーズ

【ビート・ザ・ボクス】

 

世界にかますぜJAPANWAY

地獄を乗り越え目指す上

 

ワールドカップの制覇二回

ティア2のチームは勝ったことない

しかし狙うぜビート・ザ・ボクス

世界一ビッグな相手負かす

 

フォワード平均7キロ差

中3と高2の体重差

でかいしうまいし早いし激しい

奴らの強さはクレイジー

 

ダブルで喰らわす魂のタックル

そこに狙うぜすかさずジャッカル

怒涛の攻撃跳ね返す

取られたらすぐに取り返す

 

高さ補う技のラインアウト

スクラム組んだらすぐにボールアウト

セットプレーでも負けてねえ

マイボールになったら渡さねえ

 

かなわねえぜ個々の力

だったら使う数の力

BKも参加の巨大モール

力を合わせてトライ取る

 

伏線回収立川初パス

ボクスのディフェンス驚かす

サウのデコイと小野が生んだ間

そこに飛び込み駆ける松島

最後は五郎丸バイスキャップ

ブライトンのテンションさらにアップ

 

シェイプ・リロード・リンケージ・シナジー

アンサンブル BY Japanese energy

自陣から繰り出す総攻撃

ここから始まる逆転劇

 

ペナルティゲットゴール手前

エディの指示は「ショット狙え」

 

だが同点狙いじゃ終われねえ

勝利を狙うぜJAPANWAY

 

スクラム組もうぜ宣戦布告

決断沸かすぜ世界各国

 

歴史誰が変えるの?俺らでしょ!

ボクスにかますぜスクラムトライ

 

しかしアングル効かせるデュプレッシー

ジャパンのスクラム横に崩し

 

切り替え展開近場クラッシュ

限界を超え繰り返すダッシュ

 

キャプテンリーチが突破狙った

阻まれたけど大外空いた

 

日和佐繰り出すスクリューパス

立川放った飛ばしパス

 

そこにマフィだパワー半端ない

ボクスのディフェンス人足りてない

駆けこむヘスケスもうここしかない

左隅飛び込み逆転トライ

 

biggest shock in the RWC

world rugby's best scene

 

このビクトリーで変えたヒストリー

これは偶然?違う必然!

これからも見とけやJAPANWAY

目指し続けるもっと上

 

 

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【解説】

 

・「地獄」

⇒過酷な練習のこと。直前合宿を120日間,一日4部練習を敢行等,日本代表は世界一の練習をして本番に臨んだ。

 

・「ティア2」

⇒ティアとはラグビー界の格付けのようなもの。ティア1に属する国はニュージーランド南アフリカ,オーストラリア,アルゼンチン,イングランド,フランス,ウェールズアイルランドスコットランド,イタリア。南アフリカに勝った経験を持つ国は,このティア1のうち,イタリアを除く8カ国のみ。日本はティア2という格付けだが,ティア2の国で南アフリカに勝った国は歴史上存在しなかった。なお,南アフリカニュージーランドを除く全ての国に勝ち越している。

 

・「ボクス」

南アフリカ代表の愛称「スプリングボクス」の略称。ビートは打ち負かすという意味。

 

・「世界一ビッグな相手」

南アフリカ代表は伝統的にパワーを全面的に出したラグビーをする。フォワードは世界最強と言われている。今大会,南アフリカ代表のフォワード平均体重は出場国中最重量。対して日本のフォワードの平均体重は出場20カ国中17位。

 

・「フォワード平均7キロ差」

南アフリカ代表戦において,南アフリカ代表先発フォワードの平均身長・体重は193.6センチ116キロ。対して日本代表先発フォワードの平均身長・体重は187.4センチ109キロ。身長は6.2センチ,体重は7キロ差。フォワードはボール争奪戦を行うポジションなので体重のハンデは特に大きい。

 

・「中3と高2の体重差」

文科省の2013年春の統計によると,日本の中3男子の平均体重は54キロ。高2男子の平均体重は61キロ。差は7キロ。つまり,南アフリカ代表フォワードと日本代表フォワードの体重差は中3と高2の体重差と同じ。

http:// http://paro2day.blog122.fc2.com/blog-entry-9.html

 

・「ダブルで喰らわす魂のタックル」

⇒体格のハンデを補うため,日本代表は,相手の下半身と上半身に二人で当たる「ダブルタックル」を敢行し,猛攻を止めた。低く入るタックルは相手の膝蹴りを食らって失神したりする恐れがあるので,大変な勇気が必要。

 

・「ジャッカル」

⇒相手のボールを奪うこと。試合開始早々に日本代表はジャッカルを決め,その後も要所でジャッカルを決めたが,体格で勝る相手にジャッカルを決め続けるのは至難の業。

 

・「取られたらすぐに取り返す」

⇒日本代表は南アフリカ代表に連続得点を一度も許さなかった。

 

・「高さ補う技のラインアウト

ラインアウトとは,ボールをラインの外から投げ入れてそれを奪い合うこと。身長が高い方が有利。投入されたボールをキャッチするジャンパーの役割を担うのは主に左右のロックだが,南アフリカ代表のロックは二人とも2メートルを超える長身。対して,日本のロックはトンプソンが196センチ,大野が192センチ。ジャンパーを持ち上げるリフターの身長も南アフリカ代表の方が高い。そこで日本代表はフッカー堀江の超正確なスローイングに加え,ジャンプのタイミングを工夫するなど,技で高さの不利を補った。

 

スクラム組んだらすぐにボールアウト

スクラムとは,軽い反則の後に,両チームのフォワード各8名全員が組み合って試合を再開するもの。攻撃側のスクラムハーフが下からボールを転がして投入し,それをフッカーが後ろに蹴り出す(フッキング)。南アフリカ代表のフォワード総体重は928キロ。日本は872キロ。その差は56キロもあったため,まともに押し合うとボールを奪われる可能性があった。そこで,日本代表はスクラムから素早くボールを出すことで押し合いを避け,ボールキープに成功した。

 

・「マイボールになったら渡さねえ」

南アフリカ代表戦,スクラムの成功率は100%、ラインアウトの成功率は92.4%。この安定したセットプレーが勝利につながった。

 

・「BKも参加の巨大モール」

⇒日本代表最初のトライは,ラインアウトからのモール。普通,モールはフォワード8人だけで組むが,日本代表はバックスの3人(小野,立川,松島)も参加して総勢11人の巨大なモールを形成してトライを奪った。

 

・「伏線回収立川初パス」

⇒センター立川は,日本代表の二度目のトライの前まで,一度もパスをしていない。2回のキックの他は全てクラッシュしていた。メインターゲットは相手のスタンドオフ。これにより南アフリカ代表に「立川はボールを持つと必ずクラッシュしてくる」と思わせ,自分に注意を向けることに成功した。これが二度目のトライへの伏線となった。

 

・「サウのデコイと小野が生んだ間」

⇒デコイとは囮(おとり)という意味。立川がパスを出す寸前,サウが囮として小野の前を走り抜け,南アフリカ代表のディフェンスを幻惑した。そして,立川のパスを受けた小野は,さらに後ろから走り込んできた松島にパスし,南アフリカ代表のディフェンスラインを切り裂いた。

 

・「バイスキャップ」

バイスキャプテン(副キャプテン)という意味。

 

・「ブライトン」

⇒試合会場

 

・「シェイプ」

⇒フォワード・バックス一体となった攻撃の「形」のこと。スクラムハーフスタンドオフの両サイドに予めフォワードを2~3名立たせておく。これにより攻撃の選択肢を増やし,相手に的を絞らせない。

 

・「リロード」

⇒グラウンドに倒れたらすぐに起き上がること。これを素早く繰り返すことが体格で勝る相手に勝つ絶対条件。

 

・「リンケージ」

⇒「連携」という意味。各シェイプ同士を連携させ,ディフェンスラインの突破を図る。

 

・「シナジー

⇒「相乗効果」という意味。セットプレー及びそれを起点とした攻撃と,シェイプを組み合わせて攻撃していくという意図を表す。

 

・「アンサンブル」

⇒シェイプ,リロード,リンケージ,シナジーを統合して攻め続けるという,エディージャパンのラグビーを象徴する言葉。

 

・自陣から繰り出す総攻撃

⇒後半75分52秒,自陣22メートルライン付近でデュプレアのキックをキャッチした五郎丸は右へ大きく展開。ここから日本代表は19次に渡る怒涛の連続攻撃を展開し,最後の五郎丸の突撃でゴールライン寸前まで達した。消耗仕切った後半終了間際の時間帯において,世界最大最強のフォワードを相手に約2分半も攻撃を継続したのは驚異的であり,エディージャパンの集大成とも言える攻撃。ここで大きく陣地を得たことが最後のトライにつながった。

 

・「スクラム組もうぜ宣戦布告」

⇒Jスポーツの実況矢野武アナウンサーの名セリフ。

 

・「歴史誰が変えるの?俺らでしょ!」

⇒試合終了5分前,相手陣内での相手ボールスクラムにおいて,左ロックのトンプソン・ルーク(愛称トモさん)が「歴史誰が変えるの?」と発破をかけた。これに対し,右プロップ山下,フッカー木津らが「俺らでしょ!」と答え,フォワード陣のボルテージは最高潮に達した。なおこのとき,南アフリカ代表スクラムを始めて押し込むことに成功している。これが最後のスクラム選択につながったと思われる(8対8の状況で押せたのだから,8対7の状況になれば当然押し込めると考えるだろう。)。

 

・「スクラムトライ」

スクラムでボールキープした状態のまま押し込んでトライしてしまうこと。最後の場面,ペナルティによる退場で南アフリカ代表のフォワードが一人少なかったため,日本代表はスクラムトライを狙った。一人少ないとは言え,世界最大最強のフォワード陣を相手に日本代表がスクラムトライを狙うのは漫画を越える神展開。

 

・「しかしアングル効かせるデュプレッシー」

南アフリカ代表の右プロップ,ヤニー・デュプレッシーは,審判の合図より早く,しかも日本代表から見ると右方向に角度をつけてスクラムを組んだ。これにより,日本代表は真っ直ぐスクラムを押すことができなくなり,横に崩され,スクラムトライは阻止された。本来反則を取られてもおかしくないが,主審のガルセスは角度をつけてスクラムを組む反則(アングル)をあまり取らない傾向があった。また,主審はデュプレッシーとは逆のサイドに立っていたため,デュプレッシーの反則が見えていなかった可能性もある。おそらく,デュプレッシーはそういった状況を把握した上で意図的にやっていたと思われる。老獪である。

 

・「切り替え展開近場クラッシュ」

南アフリカ代表のディフェンスを分散させるため,日本代表はポイントから近い所にクラッシュを繰り返した。

 

・「キャプテンリーチが突破狙った」

⇒ラストスクラム後,リーチは3回もボールを持ってクラッシュしている。元々足が攣(つ)る寸前で走っていたが,最後のクラッシュ(右サイド)の際,両足が攣って完全に動けなくなった。勝利への執念が彼を動かした。

 

・「立川放った飛ばしパス」

⇒飛ばしパスとは,一人以上飛ばしてパスをすること。相手のディフェンスラインに詰められるのを避けるため,日本代表では原則としてこの飛ばしパスを禁止していた。しかし,土壇場で立川は禁止を破り,飛ばしパスを放った。彼の飛ばしパスはこの試合でこの1つだけ。

 

・「biggest shock in the RWC」

⇒RWCはラグビーワールドカップの略称。日本代表が南アフリカ代表に勝ったことは,今後も,そしてこれからも史上最大の衝撃として語り継げられる偉業。これを越える衝撃は日本代表がニュージーランド代表オールブラックスに勝つことぐらいしかない。