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モノシリンの3分でまとめるモノシリ話

モノシリンがあらゆる「仕組み」を3分でまとめていきます。

作者の連絡先⇒ monoshirin@gmail.com

【番外編】ラグビー日本代表が南アフリカ代表に勝ったことの凄さを詳細にまとめてみる(2)

ラグビー日本代表

1.平均体重世界最重量。世界最強のフォワードを誇る南アフリカ

f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 下記の表を見てごらん。これはワールドカップ出場国のフォワード登録選手の国別平均体重を重い順に並べたものだ。

  平均身長 平均体重
1 南アフリカ 190.8 114.9
2 ウェールズ 191.4 114.6
3 オーストラリア 190.9 114.4
4 イングランド 189.3 114.3
5 スコットランド 190.1 114.1
6 ニュージーランド 189.8 112.9
7 フランス 189.4 112.9
8 アイルランド 189.5 112.7
9 ルーマニア 188.8 112.5
10 ジョージア 188.3 112.2
11 アメリカ 189.7 112.1
12 サモア 186.3 111.7
13 フィジー 187.2 111.4
14 トンガ 189.4 111.2
15 アルゼンチン 190.5 110.7
16 イタリア 189.4 110.4
17 日本 186.9 110.1
18 ナミビア 186.2 110.0
19 カナダ 187.1 109.1
20 ウルグアイ 184.1 103.8


f:id:monoshirin:20151008215747j:plain フォワードはボールの争奪戦をするポジションだから,体重が必要とされる。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そうすると,平均体重はその国のフォワードの強さを測るひとつの目安になる。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain 南アフリカが一番重いんだね。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そうだ。南アフリカの特徴はその圧倒的なパワーだが,体重の重さにもそれが現れている。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain もちろん,体重が重いだけじゃない。幼いころから高いレベルでプレーして来た彼らは,技術・判断力も世界最高レベルだ。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain だから,南アフリカのフォワードは世界最強と言われている。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 世界最強のフォワードのパワーで,世界最高のスピードを誇るニュージーランドに対抗してきたんだ。

2.南アフリカ代表フォワードと日本代表フォワードは高2と中3ぐらいの体重差

f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 下の表を見てごらん。これは,南アフリカ代表と日本代表のスターティングメンバーの身長・体重をポジション順に並べたものだ。

  南アフリカ 身長 体重 日本 身長 体重 身長差 体重差
1 テンダイ・ムタワリラ 183 116 三上正貴 178.0 115 5.0 1.0
2 ビスマルク・デュプレッシー 190 115 堀江翔太 180.0 105 10.0 10.0
3 ヤニー・デュプレシー 187 123 畠山健介 178.0 115 9.0 8.0
4 ルードベイク・デヤーヘル 205 125 トンプソン ルーク 196.0 108 9.0 17.0
5 ビクター・マットフィールド 201 110 大野均 192.0 106 9.0 4.0
6 フランソワ・ロウ 190 114 リーチ マイケル 190.0 105 0.0 9.0
7 ピーターステフ・デュトイ 200 115 マイケル・ブロードハースト 196.0 111 4.0 4.0
8 スカルク・バーガー 193 110 ツイ ヘンドリック 189.0 107 4.0 3.0
  FW平均 193.6 116.0 FW平均 187.4 109.0 6.3 7.0
  FW総体重   928.0 FW総体重   872.0   56.0
9 ルアン・ピナール 186 92 田中史朗 166.0 71 20.0 21.0
10 パット・ランビー 177 89 小野晃征 171.0 83 6.0 6.0
11 ルワジ・ムボボ 181 93 松島幸太郎 175.0 88 6.0 5.0
12 ジャン・デビリアス 190 100 立川理道 181.0 94 9.0 6.0
13 ジェシー・クリエル 186 96 マレ・サウ 183.0 97 3.0 (1.0)
14 ブライアン・ハバナ 179 94 山田章仁 181.0 90 (2.0) 4.0
15 ゼーン・カルシュナ 184 92 五郎丸歩 185.0 99 (1.0) (7.0)
  BK平均 183.3 93.7 BK平均 177.4 88.9 5.9 4.9
  全体平均 188.8 105.6 全体平均 182.7 99.6 6.1 6.0

 


f:id:monoshirin:20151008215749j:plain 日本代表の中で,体重が相手の同じポジションの選手を上回っているのは,マレ・サウ選手と五郎丸選手だけだね。相手の方が圧倒的に大きい。


f:id:monoshirin:20151008215749j:plain 身長だと五郎丸選手と山田選手だけが相手より上だね。

f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そうだね。そして,フォワードを見ると平均体重で7キロ負けている。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain ところで,2013年春の統計によると,日本人の中3男子の平均体重は54キロ,高2の平均体重が61キロだ。

日本人の平均身長・体重 : 統計 - Paroday


f:id:monoshirin:20151008215749j:plain 単純に体重で比較したら高2と中3ぐらいの差があるということだね。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain そう考えるとますます凄い体格差だな。

3.強化環境も違う

f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 太郎,今回のラグビーワールドカップでベスト4に入った国はどこだい。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain ニュージーランド,オーストラリア,南アフリカ,アルゼンチンだね。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そうだね。その4か国が毎年繰り広げている国別対抗戦がザ・ラグビーチャンピオンシップだ。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 1996年~2011年まではアルゼンチンを除く3か国で開催されていて,名称も「トライネーションズ」だった。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain つまり,世界3強同士で毎年対抗戦を行ってきたわけね。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そうだ。国別対抗戦としてはこのザ・ラグビーチャンピオンシップが世界最高だ。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain さらに,国別対抗戦とは別に,ニュージランド,南アフリカ,オーストラリアの3カ国に属するプロチームで構成されるスーパーラグビーというプロリーグもある。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain 世界最高のプロリーグもあるというわけだね。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain 南アフリカの選手たちは,世界最高の国別対抗戦とプロリーグがある環境でプレーしてるんだから,ますます強くなるじゃん。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そうだ。これに対して日本は,パシフィックネーションズカップという対抗戦には参加してるけど,参加国は全てティア2の国だ。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain また,日本はアジア五カ国対抗という対抗戦にも参加しているが,これはパシフィックネーションズカップよりもレベルが低い。

f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 日本代表は,ティア1の国とはめったに試合も組ませてもらえない。だから今回南アフリカと戦ったのも歴史上初めてだった。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 更に,日本にもトップリーグというものがあるけど,これは完全なプロリーグというわけではない。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain プロ契約をしている人もいるが,企業の社員として勤めながらプレーする人がほとんどだ。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain あの五郎丸選手も所属するヤマハ発動機とはプロ契約を交わしているわけではない。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain 全然環境が違うんだね。南アフリカはみんなプロで,さらに強い者同士で切磋琢磨しあう環境にいるのにね。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そうだ。しかも南アフリカではラグビーがとても人気の高いメジャースポーツであるのに対して,日本ではマイナースポーツだ。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain 人気が高ければ優秀な選手が集まりやすいだろうから,その点もハンデだね。

4.ラグビーは番狂わせが起きない

f:id:monoshirin:20151008215749j:plain こんなにハンデだらけだと,後は運に任せるしかない気がしてくるよ。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 太郎,下の表を見てごらん。これは,日本の野球,サッカー,ラグビーの最高峰リーグにおける直近の優勝チームの一覧表だ。

競技 リーグ名 チーム名 試合数 勝率
野球 2015 日本プロ野球 ソフトバンク 143 90 49 4 63%
サッカー 2015 Jリーグ サンフレッチェ広島 34 23 6 5 68%
ラグビー 2015-2016 トップリーグ パナソニック 7 6 0 1 86%

 

f:id:monoshirin:20151008215749j:plain ソフトバンクって滅茶苦茶強かったイメージあるけど,それでも勝率が6割台なのね。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そうだ。ところで,ソフトバンクはリーグ戦も1位だったけど,過去にはリーグ戦3位のチームが日本シリーズを制覇したこともあっただろ。

f:id:monoshirin:20151008215749j:plain それって番狂わせだね。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そうだね。次にサッカーを見てごらん。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain 野球ほど勝率は低くないけど,あんまり高くもないね。それにしても引き分けが多い。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain サッカーはあまり点が入らないスポーツだから,引き分けがどうしても多くなる。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain では次にラグビーを見てごらん。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain 勝率86%じゃん。他の二競技と全然違うね。 引き分けが一回あるだけで,負けは無いし。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そうだ。この数字は,実力のあるチームが実力どおり勝つのがラグビーだということを示すひとつの証拠だね。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain そうだね。優勝チームが一番強いなら,そのチームは他のチームに負けないはずだからね。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain 何でこんな違いが出るのかな。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 色々あるだろうけど,一つ挙げるとすれば,運の要素だろうね。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 野球はその日のピッチャーや打線の調子に左右されやすい。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain 振ったバットにボールが当たるかどうかの世界だから運が左右するというのは理解しやすいね。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain 毎年甲子園見てても,優勝候補って言われているチームが大体途中で負けちゃうイメージがある。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そうだね。運が左右する要素が大きいのはサッカーもだろう。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain ただでさえ得点機会が少ないのに,その少ない得点機会で「たまたま外す」が続いたら結局無得点だ。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain たしかに。一方のチームが明らかに内容で勝ってるのに負けちゃうときもあるもんね。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain ラグビーはそういう運に左右される要素が比較的少ない。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain ボールを持って走るのは極めて確実性の高い手段だし,得点機会も多い。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain 「たまたまトライ」とか「たまたまトライしそこなった」というのがあんまりないということだね。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そうだ。しかも,ラグビーは番狂わせが少ない上に,強さの序列が固定化されるという特徴があるかもしれない。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 例えば,今回ワールドカップ4位だったアルゼンチンは,過去3位になったこともあるけど,南アフリカには一度しか勝ったことないからね。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain アルゼンチンですらそうなの?凄いな南アフリカって。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain 日本代表がやったことの凄さが分かってきたよ。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain じゃあ次は日本代表が具体的にどのような工夫をしたのか見てみよう。

 

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