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モノシリンの3分でまとめるモノシリ話

モノシリンがあらゆる「仕組み」を3分でまとめていきます。

作者の連絡先⇒ monoshirin@gmail.com

【30】船のまとめ~帆船は気圧差で動いている~

 

【分かりやすくまとめると・・・】

・帆船の帆は,風を受けると膨らむ。膨らんだ帆を境に,空気の流れる速さに差が生まれる。速い方の空気の気圧は下がる。

・空気は気圧の高い方から低い方に引き寄せられるので,帆が膨らんだ方向に揚力が生まれる。

・船底にキールをつけることで,横に流れる力が抑えられ,船が前に進む。向かい風に対して斜めの方向に帆船は動いていく。

 

 

f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 最初,人類は流木などを見て,物が水に浮かぶことを知ったのだろう。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そして,木を束ねて筏を作った。筏は最も原始的な船だ。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 筏を作るには道具が必要だから,筏が出来たのは石器時代より後だろう。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 最初,船の推進力はもちろん人の力だった。人が櫂で水を掻いて船を進めていた。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain だが,ある日誰かが風の力で船を進めることができることを発見した。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 帆船の誕生さ。帆船は人の力以外のもので動く初めての船だった。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain ヨットとかがそうだよね。あれ,いつも不思議に思うんだけど,追い風じゃないと進まないんじゃないの。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain なんであれで目的地に着けるのか分からないよ。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain 向かい風になったら終わりじゃないか。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain あれはね,揚力を巧みに利用しているんだ。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 帆を風の向きに対して,平行に近い角度で向けると,風で膨らむ。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そうすると,膨らんだ帆を境にして空気の流れが変化する。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 不思議なことに,膨らんだ側の空気の流れが,反対側の空気の流れよりも速くなるんだ。

 


f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そして,空気は流れが速くなると,気圧が低くなる性質を持っている。

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f:id:monoshirin:20151008215749j:plain なんでだろう。不思議だね。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 分子が振動しているのは前に説明したよね。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 圧力の正体はその分子運動だ。要するに分子がぶつかってくるから力を感じる。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 空気の速度が速くなると,分子の運動エネルギーは移動する方向に使われる。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そうすると,移動方向以外へ作用する力は減ってしまう。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain その結果,気圧が低くなるわけだな。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そう。そして,空気は,気圧が高い方から,気圧の低い方へ引き寄せられる性質がある。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain つまり,帆の膨らんだ方向へ空気が引き寄せられていくんだ。

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f:id:monoshirin:20151008215747j:plain この空気の気圧差によって生じる力を揚力と言っている。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain ちなみに,飛行機も揚力で浮かんでいる。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 太郎,この紙をもって上から息を吹きかけてごらん。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain 紙が浮いてきたよ。紙の上の空気の速度が紙の下の空気の速度より早くなったからかな。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain その通りだ。速度の違いが気圧の違いを生み,揚力が生まれたということだ。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain へえ~。ところで,帆船はそのままだと帆の膨らんだ方へどんどん行っちゃうよね。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そう。それを防ぐために帆船には,底の部分にキールという板を取り付けている。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain こうして横方向へ流れる力を抑えた結果,帆が膨らんだ方向から見て斜めの方向に船は進んでいく。

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f:id:monoshirin:20151008215749j:plain キールで力の向きを変化させるんだね。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そう。端的に言うと,帆船というのは,向かい風に向かって斜めに進んでいくということだ。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain ずっと斜めのままだとやっぱり目的地にたどりつけないんじゃないの?
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そのとおり。だから,一定の距離を進むと方向を変える。向かい風に向かってジグザグに進んでいくということさ。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain そうか。なんだかめんどくさいんだね。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain まあ確かにめんどくさい。でも,風の力を使って船を動かすことで,ヒトはとても長い距離を航海できるようになった。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 例えば,あの有名なコロンブスがアメリカにたどり着いたのも,帆船があったからだ。

f:id:monoshirin:20151008215749j:plain 櫂で漕ぐだけの船じゃあ無理だろうね。手が疲れちゃうよ。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そうだね。そして,やがて人類は風という自然力を使う船ではなく,機械力を使う船を作り出した。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 今,船のほとんどは機械力を使う船だ。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 具体的には,水中でプロペラを回して船を動かしている。

f:id:monoshirin:20151008215747j:plain プロペラで船が推進する原理は飛行機と一緒だ。後で飛行機のことを話す際に説明しよう。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain 機械力で動くようになるのは,自動車と一緒だね。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そのとおりだ。実は,船と自動車のエンジンの仕組みは大まかに言うと一緒なんだよ。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 船に最初につかわれた機械力も蒸気機関だ。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そして,最初は蒸気機関で車輪をぐるぐる回して船を動かしていたんだ。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain これを外輪船という。日本にペリーが来航した時の黒船も,外輪船だよ。

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出典:外輪船 - Wikipedia

著作者:woinary


f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 蒸気機関についても話したいところだけど,その前に,船にとって不可欠な羅針盤の話をしよう。

blog.monoshirin.com