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モノシリンの3分でまとめるモノシリ話

モノシリンがあらゆる「仕組み」を3分でまとめていきます。

作者の連絡先⇒ monoshirin@gmail.com

アベノミクス,クルーグマンにもスタグフレーションと言われてないか?

クルーグマンが今から1年半ほど前にこんなこと言っていたらしい。

なお,クルーグマンとはリフレ派の教祖と言っても良い人物であり,アベノミクスの理論的基礎を提供しているノーベル経済学賞受賞者である。

president.jp

 

上記の記事から大事な部分を引用する。

円安のマイナスの影響で物価はすでに上昇しているが、物価だけが上昇するのは当然好ましくない。賃金は年に3、4%上がり、物価は年に2%かそれ以上上がるのがいい。

日本では今急速な円安のマイナス面が表面化し、物価が上昇しているが、それに対して賃金上昇が追いついていないために、スタグフレーションに陥りつつある。

 「賃金は年に3,4%上がり」と言っている部分が一番重要である。

私は彼の著書も読んだことがあるし,他のリフレ派の著書も読んだことがある。

共通しているのは「物価が上がれば賃金も当然上がる」と思い込んでいる,という点である。

この思い込みが,リフレ派最大の過ちである。

現実には,この3年間,名目賃金は年平均で約0.03%しか伸びていない。

クルーグマンの想定の100分の1以下である。

 

クルーグマンの言ったことと,この3年間で現実に起きたことを並べてみよう。

 

クルーグマン「賃金は年に3、4%上がり、物価は年に2%かそれ以上上がるのがいい。」

現実「賃金は年に約0.03%しか上がらず,物価は年に約1.6%上がった。」

 

クルーグマンの言ったことを前提にすれば,今の日本の状況は明らかにスタグフレーションと言うことが出来る。賃金の伸びが全く追いついていない。物価の伸びのペースとあまりにも違いすぎるので,今後追いつく見込みも無い。

 

クルーグマンは「賃金が年に3,4パーセント伸びるのが望ましい」と言っているが,実際に計算してみるとこれがどれほど非現実的なものかが分かる。

労働者の平均給与はだいたい月額約30万円である。

その3~4%というのは,9000円~1万2000円を意味する。

今年のトヨタのベアは1500円,去年は4000円。アベノミクスの恩恵を最大限受けたトヨタですらこのペースである。国民全体の名目賃金が年に9000円~1万2000円のペースで上がることは絶対にあり得ないのだ。ちなみに,現実には年100円程度のペースでしか伸びていない。

 

リフレ派の理論は,「名目賃金が実際にどう伸びていくのか」という点についての考察が一切存在しないのである。

アベノミクスはこんな間違った理論に基づいている。

だから,成功するはずがない。現に失敗している。だが,国民にそれが伝わっていない。

大火事が起きているのに,誰も気づいていない。今の日本はそういう状況に見える。

 

ところで,野党はなぜアベノミクススタグフレーションであることを指摘しないのだろう?せっかくアベノミクスの成否を判断するのに十分な3年分の統計資料があるというのに。おそらく詳細な分析はしていないのだろう。

headlines.yahoo.co.jp

 

上記記事によると,民進党は,参院選ポスターのキャッチコピーを「まず,3分の2をとらせない」等を軸に調整しているらしい。

憲法を争点にしては勝てないと思う。憲法ではイデオロギーと無関心層の壁を絶対に超えられない。

「アベノスタグフレーションを止める」にするのが一番良い。これならイデオロギーは全く関係ない。無関心層も,ほっといたらスタグフレーションが悪化するだけなので,野党に投票する動機づけになるだろう。