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モノシリンの3分でまとめるモノシリ話

モノシリンがあらゆる「仕組み」を3分でまとめていきます。

作者の連絡先⇒ monoshirin@gmail.com

選挙の街頭演説について考えてみる

blog.monoshirin.com

 

昨日書いた上記の記事にこんな反応があった。

 

本当にそうか。では確認してみることにする。私が野党,特に野党第1党である民進党に言ってほしかったことを超要約すると下記の2点。

 

1.統計を根拠にしたアベノミクス失敗を説明できていること。つまり,給料がそのままなのに物価だけ上げたので消費が冷えたことを説明していること。

2.与党が勝つと残業代ゼロ法案が通ってしまうこと。

 

全部見ているとキリがないので民進党の有名人の街頭演説を中心に見てみる。

まずは岡田代表。第一声。

 

 

まず憲法に触れている。明らかに憲法メイン。経済には触れているが,アベノミクスがどう失敗しているか説明できていない。残業代ゼロ法案には全く触れていない。

動画の再生回数は1126回。

 

こちらは最後の訴え。完全に憲法にしか触れていない。再生回数は890回。

 

次は蓮舫氏。憲法には一言も触れていない。逆にこれはいいと思う。だが,アベノミクス失敗については全く説明できていない。なぜ失敗したのか理解していないのだと思う。残業代ゼロ法案には一言も触れていない。

ところで,岡田さんよりはるかに演説うまい。再生回数2163回。

 

 

次は海江田,江田,小川の3氏。憲法には言及しているがその他がメイン。

江田氏はうまくアベノミクスの失敗を説明できている。この人はちゃんと理解できている。非常に端的で分かりやすい。私は正にこういう説明を求めている。

しかし・・・やはり3氏いずれも残業代ゼロ法案には触れていない。再生回数は173回。 

 

有名どころだけ見てみたが,残業代ゼロ法案には誰も触れていない。そしてアベノミクスの失敗をきちんと理解して説明できているのは江田氏だけ。おそらく彼だけは統計データをきちんと分析したのだと思う。

野党が街頭演説で訴えてた内容しか書いてない」というのは,文意からすれば少なくとも民進党の議員全員が私が言ってほしかったことを言っていると読めるのだが,そうではないようである。5人見たが当てはまっていないのだから。

冒頭のツイートをした人は,私が昨日の記事に書いたことをよく理解していないのだろう。

 

この他「『野党は憲法のことばかり』という前提自体がツイッター世論のような結論ありきのバーチャルな世界で作られた幻想であり,現場はちゃんと社会保障や経済対策に関する訴えの方が多かった」というコメントもあった。

 

ポスターに3分の2阻止を掲げて憲法を前面に押し出し,選挙後も「憲法改正について争点隠しをされた」と岡田代表自身が述べている。テレビや新聞も民進党がそのような争点設定をしていたという報道をしている。

 

これで「野党は憲法のことばかり」という印象を受けない方がおかしいのではないか。

有権者は全員もれなく民進党の街頭演説に足を運び,それができない人は動画でチェックをしなければならないとでも言いたいのであろうか。

上記のコメントをした人はひょっとして民進党の関係者だろうか。だったら強く言いたい。そのように素直に反省できないから国民から支持されないのではないか。

有権者の具体的な姿が想定できていない。今回の投票率はたったの54.7%。国民の約半分しか選挙に行っていない。

民進党がアピールしなければいけないのは,選挙に来なかった有権者達。その人達は果たして街頭演説をわざわざ聞きに来る人達だろうか。聞き逃したらわざわざ動画で見るだろうか。再生回数を見てもらいたい。岡田代表の動画ですら,私が作った「アベノミクスによろしく」の再生回数(1万1000回以上)の足元にも及んでいない。

結局有権者の大半はテレビや新聞で切り取られた街頭演説の一部を見るだけ。わざわざ見に行くのは熱心な支持者か,政治に関心の高い人だけだろう。

そして新聞やテレビが報道する場合,時間が限られているため,どうしても分かりやすいフレーズを切り取って報道することになる。

その結果,安倍政権を支持していない私ですら,強く印象に残ったのは安倍総理の「気をつけよう,甘い言葉と民進党」であった。

 

民進党は「どう報道されるのか」を意識した街頭演説はできていたのか。

こういう指摘をすると「じゃあどうすればいいんだよ」と言われそうなので例を示す。

私なら,アベノミクス失敗を印象づけるフレーズとして「スタグフレーション」を使う。もちろん,選挙期間になってからいきなりそんな言葉を使われても分からないので,選挙の前から繰り返し言い続けて浸透させることを試みる。

私が「アベノミクスによろしく」を作り始めたのは今年の4月。そのころには既に2015年までの暦年統計資料は揃っていた。だから参院選の相当前から,根拠をもって「スタグフレーション」と指摘し,その浸透を試みることは可能だったと思う。

アベノミクスとひっかけて「アベノスタグフレーション」を名付けても良いだろう。このようにキーフレーズを作ることで新聞やテレビに取り上げられやすくなると思う。

ただでさえ選挙に興味が無い人達に興味を呼び起こさなければならないのだ。徹底的に伝えることを絞り込み,分かりやすくしなければならないだろう。

民進党がそういう工夫をしていたようには見えない。

むしろ自民党の方がうまかった。アベノミクスの失敗をうまく覆い隠し,都合の良いところだけアピール。あのテレビCMが正にそうである。あとは野党の悪口。この野党の悪口がまた分かりやすいので,新聞・テレビで報道されたときによく記憶に残る。

よく言えば自民党有権者の心理を的確に捉えている。相当優秀な選挙参謀がいるのではないか。

 

ところで,いくら街頭演説が現場で盛り上がっても,テレビや新聞がそれを伝えなければほとんど意味が無いのではないか,と私は今回の選挙で思った。

それは三宅洋平氏が落選したからである。

この動画の再生回数は今日の時点で72万回を優に超えている。時間も長いのにこれは驚異的である。現場に集まった人もたくさんいただろう。

しかし,彼は惨敗してしまった。あまり目立っていたとは思えない横粂氏にすら負けた。

彼より街頭演説で人を集めた人はいないし,彼より街頭演説動画の再生回数が多い人もいないだろう。でも,落選してしまった。

新聞・テレビで全く取り上げられないとこういうことになるのだと思う。