私がJBPRESSに寄稿した記事について,池田信夫氏と須賀原洋行氏が適当なことを言っていたのでツッコミを入れた下記の記事はけっこう読まれた。
まあこの程度ならツッコミを入れて終わりだが,ちょっと比較にならない人物が現れた。
不破雷蔵という人である。
たまに私も彼が運営している「ガベージニュース」を読んでいるので前から知ってはいた。ツイッターフォロワーも約1万5000人いて,ヤフーオーサーでもある。
したがって,それなりに影響力がある人物である。
私がJBに寄稿した記事に関連して,信じられないくらい事実無根なことが書いてある。
大した影響力も無い人が言うなら無視するが,彼はそうではないので無視するわけにはいかない。これはあまりにもひどい。以下,引用する。
以前反社というか社会を批判するのを生業としている方の書籍が話題を呼んでおり、その書籍の筆者の炎上商法的な記事が再びネタとして持ち上がっている。内容としては非常に稚拙、かつ数年前に問題だと指摘されたけど何の問題も無いというツッコミが入りまくって収束したもの。要はネタのリサイクル。
あたかも私が反社会勢力に属し,炎上商法的な記事で社会を批判して生計を立てているかのように読める文章である。一体何を根拠にそんなことを言っているのか。
さらに,「数年前に問題だと指摘されたけど何の問題も無いというツッコミが入りまくって収束したもの」と指摘しているが,これも完全なデマである。
私はGDP改定について,アベノミクス以降だけ大幅にかさ上げされており,その最も大きな要因となっているのが,「その他」という項目であることを繰り返し問題にしている。「2008SNA対応」というGDP算定国際基準に合わせることを隠れ蓑にして,それとは全く関係の無い「その他」という項目で大幅な調整がされているのである。
これについては専門家からのツッコミは全然ない。当たり前だ。彼らは気付いてすらいないのだから。したがって収束などしていない。
「その他」については,改訂から1年以上経過してようやく「内訳に近いもの」が出てきた。私はこれについて分析した記事を書いている。
こうやって分析しているのもおそらく私だけである。だから「収束した」というのは完全にデマ。
で,「やっぱり」となったのだが,不破雷蔵氏は私の著作を読まずに批判しているのである。それは下記文章から明らかである。
記事の書き手のプロフィールを見たら、弁護士であることに気が付いてあらためて驚き。肩書がその人の品質やレベル、言及の確からしさを裏付けるものではないということが改めて分かる次第。
私の本には私のプロフィールが当然書いてある。したがって,私の本を読んでいれば,「弁護士であることに気が付いてあらためて驚き」とはならない。私の本を読んでもいないのに単なる想像で私を誹謗中傷している。
ちなみに,私のプロフィールはアマゾンにも書いてある。彼はここすら見ていなかったようである。
私がどのような主張をしているのかを確認もせずに「反社というか社会を批判するのを生業としている方」と彼は断定し,私を大ウソつきであるかのように書いているのである。私は本当に驚いている。
さらにこんなことも言っている。
まぁ、その記事そのものについてはそういうレベルなので、言及すらしない。
しねえのかよ。そこ一番重要なところだろ。
どうも書いていることを見ると,おそらく私がJBに寄稿した記事も読んでいない。読んでいたら「その他」問題が収束している等とは言えないはずである。
ところで,彼は「ひがくぼきみお」なる人のツイートを引用している。このひがくぼ氏のツイートも,肝心なところでやっぱりダメなので曝しておく。
見てのとおり「世界標準の2008SNAの「その他」で勘違い」しているけど」と書いている。
「GDP積算方法は国際基準に合わせただけ」という文章を置いてから,「世界標準の2008SNAの「その他」」と書いているので,あたかも2008SNAの中に「その他」が含まれているかのように読める文章である(例えば,【2008SNAとは関係ない「その他」】と書くなら適切であろう)。分かっていてあえてミスリードを誘うように書いているのなら本当に悪質。
何度も何度も何度も何度も何度何度も言っているとおり,2008SNAと「その他」は関係ない。
で,「その他」に色々入っているのは私も当然理解していて,肝心の内訳が全然不明で事後検証が全く不可能だったから疑惑がある。
私がギャーギャーさわいだら内訳に近いものをやっと改定から1年以上経過して内閣府が出してきた。それに関する分析を全部書くと量が多すぎるから,JBの記事にはこのブログの私の分析記事へのリンクを貼った。
ちゃんと私の主張を読んでから批判しろよ。不勉強はあなただよ。
ところで,ひがくぼ氏は一応私のJBの記事を読んでいるようだが,下記の異常なグラフを見ても何の疑問も持たない方のようである。そこにも私は驚いている。
90年代が思いっきり下げられ,アベノミクス以降は思いっきり上げられている。1994年度と2015年度はこの「その他」だけで実に15.3兆円も差がついているのだ。これに疑問を持たない方が不思議である。
自民党以外の政権下でこの現象起きたらあなたは同じ反応しますかね。
なお,ひがくぼ氏はこんなツイートもしている。
「野党ですら引用できないレベル」と言っているが,引用されている。
私もつい最近知ったのだが,平成30年5月24日の参議院総務委員会で杉尾議員が取り上げていたのである。議事録から引用する。
○政府参考人(長谷川秀司君) お答え申し上げます。
今回の基準改定でございますが、あくまでも国際基準にのっとりまして、また、より正確に経済状況を把握するために行われたものでございます。
以上でございます。
○杉尾秀哉君 その辺がどう説明を聞いても、私は経済の専門家じゃないからかも分かりませんけれども、分かりません。
その③のところがやっぱりブラックボックスになっていると思うんですが、実はこれ、私が発見したことではなくて、もう読まれた方もいらっしゃると思うんですけど、明石順平さんという、この方も経済の専門家じゃない、弁護士さんでありますけれども、「アベノミクスによろしく」という著書で展開している論理なんですね。この本の中で明石さんは、怪しいかさ上げと、歴史を書き換えたいから二十二年も遡って改定したと。確かに今回の改定の四項目の中に二十年遡るというのがあって、歴史を書き換えたいからなんじゃないかと、こういうふうな指摘をされています。これは明石さんの本の中に書かれていることですからね。
それで、ちょっと資料五を、五ページ目を見ていただきたいんですけれども、これ、自民党さんが去年の総選挙で掲げた政策のホームページの接写というかコピーなんですね。確かに、ここに名目GDP過去最高五十兆円増と、こういうふうに書いてある。
さっき言った③のその他の項目なんですけれども、ちょっと三ページ目、四ページ目、見ていただけますか。GDPのかさ上げ幅が、確かに安倍政権になってからぐんぐん増えているんですね。四ページなんか見てみますと、その他のかさ上げ幅に至っては、それまで、安倍政権まではほぼこれマイナスかゼロ近辺です。ところが、同じ基準で改定したはずなのに、安倍政権になってから③のかさ上げ幅がどんどん上がっちゃっているんですよ。
こういうのを見ると、確かに明石さんが言われているように、ちょっと不自然じゃないかなと思うんですが、実際にその数字がこうやって自民党さんの選挙のマニフェストというか政策集の中に書かれて、過去最高ということを書かれているんですよね。もしこの改定がなかったら過去最高に多分なっていないんですね、五十兆円増というのもありますけれども。
そこで、ちょっとうがった見方かもしれませんけれども、まさか政府・自民党に言われてこういう数字を作ったということはないと思いますが、いかがでしょう。
この調子でガンガン取り上げてほしいものである。政府参考人が「あくまでも国際基準にのっとりまして・・」と強調しているのがミソである。やはり「2008SNA対応」を隠れ蓑としていることがよく分かる。
さて,不破氏の話に戻る。目を疑うような誹謗中傷は他にもある。
で、色々とツッコミを入れたけど。以前【「嘘をつくのは低コスト、嘘を検証するのは高コスト」非対称性の宇宙大原則】でも指摘したように、今件のような著作物出版者の炎上商法の問題点は、どれほどアレな内容でも、出版物の知名度を上げて売上を伸ばせば、最低勝利条件を満たしてしまうということ。無論、そのアレな内容を裏付けの上で否定する側はコストの浪費となる。逮捕されない放火魔のようなもの。
まず,「色々とツッコミを入れたけど」と言って自分のツイートを引用しているが,その内容を見ると全く私の記事を読まないでも書ける内容であり,ツッコミになっていない。さっきも言ったがやっぱり読んでないんだと思う。多分ひがくぼ氏のツイートだけ見て書いたんじゃないか。記事を読んでいてこれを書くなら意図的にミスリードを誘っており,悪質。
そして,私の記事について「著作物出版者の炎上商法」とののしり,挙句,私のことを「逮捕されない放火魔のようなもの」とまで言っているのである。
びっくりするよほんと。
さらに引用する。
反社活動ならば太鼓持ちされる傾向。アクセス稼げれば中身の信ぴょう性はかまわない。そんな感じ。
真面目に情報を精査して対価がほとんど無いという側が、馬鹿を見る現状は、本当に良くないのだよね。「正直者が馬鹿を見る」状況は、社会そのものを崩壊させてしまうのだから。放火魔がつかまらずやりたい放題となれば、町は消し炭だけになってしまうというところ。それを望む人などどれほどいるのか。
私がアクセス数を稼ぐために反社会的な活動に加担している,と読める文章である。そして,またもや「放火魔」という言葉を使っている。
確実に彼は私の「アベノミクスによろしく」を読んでいない。さらにJBの記事も読んでいない可能性が高い。
つまり,彼は私のことをほとんど知らない。それなのに,端的に要約すれば私のことを「反社会的な炎上商法活動をして生計を立てている放火魔のような人物」とブログに書いているのである。
これ,物凄い名誉棄損だよね。
がっかりだよ。
ガベージニュース結構興味深く読んでいたのに。
データに基づいて理性的な話ができる人だと思っていたのに。
けっこう参考にさせていただいた部分もあったのに。
本当にがっかりだよ。
私は何度も見直しましたよ。
本当にあの不破雷蔵氏がこんな記事を書いたのかって。
最初は怒りが込み上げてきたが,今はなんだかとても悲しい。
私が書いたこの記事が拡散されれば彼の目にも触れるだろう。
そこで彼がどういった判断をするのか,まずは見てみることにする。
私は批判なら興味深く読むが,私の本や記事を読んでいないのになされる批判は批判ではない。ただのデマ。
そしてデマは徹底的に駆逐されなければならない。