大人の余裕について熱く語る
突然だが,大人の余裕の話をする。
私もすっかり大人になった。大人の余裕がますますついてきた。
地球が急に氷河期に突入しても,しばらくは耐えられる。大人の余裕があるから。
天災が起きて私の住む家が孤立しても,しばらくは耐えられる。大人の余裕があるから。
道ばたで暴漢に突然バッドで腹部を殴打されても,鼻歌を歌いながら「で?」と切り返せる。大人の余裕があるから。
大人の余裕が無い人に対して大人の余裕を分け与えてあげたいと思うこともある。あのアンパンマンのように。「僕の大人の余裕をあげるよ!」と言って。
でもこれだけは分け与えてあげられないのだ。大人の余裕とは,自分自身で手に入れるものだ。
難しいことではない。無理に我慢しなければいいだけだ。太平洋のように広い心で過ごしていれば勝手に大人の余裕はついてくる。
ちょっと前,この大人の余裕を私は嫌い,むしろ無くそうと思っていた。あの頃の私はどうかしていたんじゃないか。認めたくないものだな。自分自身の,若さ故の過ちというものを。
大人の余裕がつきすぎて着る服の余裕が無くなってしまうかもしれない。だが,それはいいことなのだ。ワンサイズ上の服を買えばいいだけだ。それはつまり,ワンランク上の大人になったということだ。そうやって新しい服を買っていけば日本のGDPにも貢献できるぞ。
LからXLへ。それはワンランク上の男になった証。 #意識の高いデブ
— 意識の高いデブ (@e_debu) 2016年7月29日
みんなが大人の余裕を持つことにためらわなくなれば,デフレだって脱却できる。きっと。日本経済浮上のカギは大人の余裕だ。
大人の余裕があれば女性にもモテる。だって力士の奥さんは大体美人じゃないか。
え?「大人の余裕」っていったい何を指しているのかって?
脂肪だ。
脂肪という言葉にはネガティブなイメージがある。
だから私は「脂肪」を「大人の余裕」と呼ぶという「新しい判断」をした。
無味乾燥な「脂肪」という漢字二文字を「大人の余裕」に言い換えるだけで,なんだかエレガントな気分にならないか。日本語って,奥深いぜ。
例えば,職場の女性に「最近太ったね」なんてどストレートに言ったら思いっきりセクハラだ。
でも,「最近大人の余裕がついてきたね」と言ったらどうだろう。褒めているようにしか聞こえない。いや,本当に褒めているのだ。決して褒めるふりをしてけなしているわけではない。
「自分が太ってきたことについて開き直っているだけじゃねえか!」だって?
その批判は当たらない。断じて当たらない。
ポケモンGOであり得ない出会いが・・・・奇跡の再会
巷で話題のポケモンGO。
早速私もプレイしてみた。
ゲームの世界と現実世界がリンクする。これは面白い。
都内の各公園で色んなポケモンが捕まえられるということで,公園巡りをしようと思い立ち,つい先日,私は都内に出かけた。
単純だが実に楽しい。夏の日差しにも負けずに私は公園をハシゴしてウロウロした。周りも同じポケモンGOプレイヤーだらけである。
そして某公園でウロウロしていたところ,「あれ,●●君じゃん!」と私に話しかける人が。
振り返って見てみると・・・誰だこの美女は。
0.1に満たない私の視力が一気に1.0まで回復しそうなぐらいの美人である。
私の記憶にこんな美人はいないぞ。
「え~覚えてないの?私だよ,A子。」
なん・・・だと。
確かに小学校・中学校の同級生にA子はいたが・・・当時のA子は真っ黒に日焼けして髪型もずっとショートカットで非常にボーイッシュだった記憶がある。
中学校卒業後はほとんど会ったことがない。
確か成人式でも会わなかった気がする。
目の前にいる女性は髪が肩まで伸びており,色は白い。
しかし,言われてみると顔は確かにA子・・・
歳月はここまで女性を美しくするのか。
私「も,もちろん覚えているよ。おひさしブリリアントグリーン。」
A子「ブリグリとかマジなつかしいんですけどww」
うん。なつかしいよ。ブリリアントグリーンなんて口にしたの10年以上ぶりだよ。
中学校時代に流行ってた気がする。
どうやらA子もポケモンを捕まえに来ていたらしい。1人で。
そのまましばらく昔話に花を咲かせていると・・・
グゥー
エド・はるみではない。私の腹が急に鳴った。
A子「腹減ってんの?どっか食べに行こうか?」
僥倖っ・・・!
なんという僥倖っ・・・!
ナイスアシスト俺の胃腸っ・・・
今のアシストは全盛期のベッカムが嫉妬するっ・・・!
というわけで,たまたま私の腹が鳴ったのをきっかけにそのまま飯を食いにいく流れになった。腹が鳴らなかったら絶対こうなってないよ。私は奥手だからね。
私が知る数少ないオシャレな店にA子を連れていった。
まずはビール。
私「ビールがキンキンに冷えてやがるっ・・・!」
A子「カイジwwwww」
ちゃんと元ネタを拾ってくれるA子。いい。実にいい。
俺「それにしても最初誰だか分かんなかったよ。超きれいになったよね~。」
A子「え~どれくらいきれいになった~?」
A子「本家に進化wwwwそれビフォーの私ディスってるしwwww」
俺「じゃあ,『あとうかい』が『かとうあい』になったぐらい。」
A子「ビフォーの私が女ですらないwwwなんだかなwww」
俺「う~ん。じゃあハリセンボンのはるなが角野卓造になったぐらい。」
A子「ビフォーとアフターほぼ同じwww角野卓造じゃねえよwww」
私のくだらないボケをいちいち返しくれるA子。いい。実にいい。
何という幸福な言葉のラリーだ。このラリーはフェデラーとジョコビッチでも真似できない。
昔話に花が咲き,楽しい時間があっと言う間に過ぎる・・・いつしか夜も遅い時間になり・・
A子「そろそろ帰ろうかな~」
私「A子は最寄り駅どこなの」
A子「●●駅」
私「それ,俺と同じじゃん・・」
僥倖っ・・・!
圧倒的僥倖っ・・・!
A子はつい最近そこに引っ越したらしい。
なんという偶然だ。神様はイタズラが過ぎるのではないか。
そして週末で混みまくっている電車にA子と乗り込む私。
密着っ・・・!
圧倒的密着っ・・・!
A子「つり革に届かないから腕に捕まってていい?」
俺「Yes,we can」
ぎゅっ。
いい。実にいい。もうず~っと捕まっててイイッス。
なんかシャンプーのいい匂いするし。
A子「なんかけっこう筋肉ついてるね~。筋トレしてんの?」
私「うん。してる。」
私の趣味は筋トレである。
私は調子に乗って大胸筋をピクピクさせた。
A子「あ~すごーい動いてる~。」
ますます調子に乗った私は大胸筋でモールス信号を送ってみた。
「---・- -・-・・ (ス・キ)」
A子「何それ~モールス信号?」
分かるのか?君は無線局運用規則第十二条別表第一号を熟知しているのか?
私「え・・・分かるの?」
A子「ナイショ」
いや,普通に考えて分かるわけないのだが,そこにあえて含みをもたせる・・・。
A子・・・恐ろしい子。
もう私の心臓のドキドキはとどまるところを知らない。この距離だから心音がA子に聞こえてしまうんじゃないか。。
A子はそんな私の心中を知ってかしらずかずっとニコニコしている。
うん。可愛い。どこまで俺の視力を回復させる気ですか。
このままじゃ全盛期のゾマホンより視力が良くなってしまう。
そうこうしているうちに●●駅に着いた。
A子は西口。俺は東口。
帰る方向までは一緒では無かった。
「俺んとこ,こないか?」って言ってみようかという気持ちがほんの一瞬だけ浮かんだけど奥手の俺はそんなことできねえぜ。
ただ,連絡先は交換して・・・勇気を振り絞って次に会う約束もした。
快く応じてくれたA子。
いい。実にいい。
あの日あの時あの場所でポケモンGOをしていなかったらA子に再会することは無かった。
ありがとうポケモンGO。
ありがとう任天堂。
ありがとうNiantic。
ありがとうグーグル。
ありがとう文春。
※大変遺憾ながら,このお話は圧倒的にフィクションです。
私,ポケモンGOやったことありません。
選挙の街頭演説について考えてみる
昨日書いた上記の記事にこんな反応があった。
すごいぞ。選挙期間中、野党が街頭演説で訴えてた内容しか書いてない! → だから野党は駄目なんだよ国民の気持ちを想像しろよバカ野郎 - モノシリンの3分でまとめるモノシリ話 https://t.co/G7TkwYfDti
— 柴犬(犬党統一候補) (@tmfm21) 2016年7月18日
本当にそうか。では確認してみることにする。私が野党,特に野党第1党である民進党に言ってほしかったことを超要約すると下記の2点。
1.統計を根拠にしたアベノミクス失敗を説明できていること。つまり,給料がそのままなのに物価だけ上げたので消費が冷えたことを説明していること。
2.与党が勝つと残業代ゼロ法案が通ってしまうこと。
全部見ているとキリがないので民進党の有名人の街頭演説を中心に見てみる。
まずは岡田代表。第一声。
まず憲法に触れている。明らかに憲法メイン。経済には触れているが,アベノミクスがどう失敗しているか説明できていない。残業代ゼロ法案には全く触れていない。
動画の再生回数は1126回。
こちらは最後の訴え。完全に憲法にしか触れていない。再生回数は890回。
次は蓮舫氏。憲法には一言も触れていない。逆にこれはいいと思う。だが,アベノミクス失敗については全く説明できていない。なぜ失敗したのか理解していないのだと思う。残業代ゼロ法案には一言も触れていない。
ところで,岡田さんよりはるかに演説うまい。再生回数2163回。
次は海江田,江田,小川の3氏。憲法には言及しているがその他がメイン。
江田氏はうまくアベノミクスの失敗を説明できている。この人はちゃんと理解できている。非常に端的で分かりやすい。私は正にこういう説明を求めている。
しかし・・・やはり3氏いずれも残業代ゼロ法案には触れていない。再生回数は173回。
有名どころだけ見てみたが,残業代ゼロ法案には誰も触れていない。そしてアベノミクスの失敗をきちんと理解して説明できているのは江田氏だけ。おそらく彼だけは統計データをきちんと分析したのだと思う。
「野党が街頭演説で訴えてた内容しか書いてない」というのは,文意からすれば少なくとも民進党の議員全員が私が言ってほしかったことを言っていると読めるのだが,そうではないようである。5人見たが当てはまっていないのだから。
冒頭のツイートをした人は,私が昨日の記事に書いたことをよく理解していないのだろう。
この他「『野党は憲法のことばかり』という前提自体がツイッター世論のような結論ありきのバーチャルな世界で作られた幻想であり,現場はちゃんと社会保障や経済対策に関する訴えの方が多かった」というコメントもあった。
ポスターに3分の2阻止を掲げて憲法を前面に押し出し,選挙後も「憲法改正について争点隠しをされた」と岡田代表自身が述べている。テレビや新聞も民進党がそのような争点設定をしていたという報道をしている。
これで「野党は憲法のことばかり」という印象を受けない方がおかしいのではないか。
有権者は全員もれなく民進党の街頭演説に足を運び,それができない人は動画でチェックをしなければならないとでも言いたいのであろうか。
上記のコメントをした人はひょっとして民進党の関係者だろうか。だったら強く言いたい。そのように素直に反省できないから国民から支持されないのではないか。
有権者の具体的な姿が想定できていない。今回の投票率はたったの54.7%。国民の約半分しか選挙に行っていない。
民進党がアピールしなければいけないのは,選挙に来なかった有権者達。その人達は果たして街頭演説をわざわざ聞きに来る人達だろうか。聞き逃したらわざわざ動画で見るだろうか。再生回数を見てもらいたい。岡田代表の動画ですら,私が作った「アベノミクスによろしく」の再生回数(1万1000回以上)の足元にも及んでいない。
結局有権者の大半はテレビや新聞で切り取られた街頭演説の一部を見るだけ。わざわざ見に行くのは熱心な支持者か,政治に関心の高い人だけだろう。
そして新聞やテレビが報道する場合,時間が限られているため,どうしても分かりやすいフレーズを切り取って報道することになる。
その結果,安倍政権を支持していない私ですら,強く印象に残ったのは安倍総理の「気をつけよう,甘い言葉と民進党」であった。
民進党は「どう報道されるのか」を意識した街頭演説はできていたのか。
こういう指摘をすると「じゃあどうすればいいんだよ」と言われそうなので例を示す。
私なら,アベノミクス失敗を印象づけるフレーズとして「スタグフレーション」を使う。もちろん,選挙期間になってからいきなりそんな言葉を使われても分からないので,選挙の前から繰り返し言い続けて浸透させることを試みる。
私が「アベノミクスによろしく」を作り始めたのは今年の4月。そのころには既に2015年までの暦年統計資料は揃っていた。だから参院選の相当前から,根拠をもって「スタグフレーション」と指摘し,その浸透を試みることは可能だったと思う。
アベノミクスとひっかけて「アベノスタグフレーション」を名付けても良いだろう。このようにキーフレーズを作ることで新聞やテレビに取り上げられやすくなると思う。
ただでさえ選挙に興味が無い人達に興味を呼び起こさなければならないのだ。徹底的に伝えることを絞り込み,分かりやすくしなければならないだろう。
民進党がそういう工夫をしていたようには見えない。
むしろ自民党の方がうまかった。アベノミクスの失敗をうまく覆い隠し,都合の良いところだけアピール。あのテレビCMが正にそうである。あとは野党の悪口。この野党の悪口がまた分かりやすいので,新聞・テレビで報道されたときによく記憶に残る。
よく言えば自民党は有権者の心理を的確に捉えている。相当優秀な選挙参謀がいるのではないか。
ところで,いくら街頭演説が現場で盛り上がっても,テレビや新聞がそれを伝えなければほとんど意味が無いのではないか,と私は今回の選挙で思った。
それは三宅洋平氏が落選したからである。
この動画の再生回数は今日の時点で72万回を優に超えている。時間も長いのにこれは驚異的である。現場に集まった人もたくさんいただろう。
しかし,彼は惨敗してしまった。あまり目立っていたとは思えない横粂氏にすら負けた。
彼より街頭演説で人を集めた人はいないし,彼より街頭演説動画の再生回数が多い人もいないだろう。でも,落選してしまった。
新聞・テレビで全く取り上げられないとこういうことになるのだと思う。