書籍版「アベノミクスによろしく」発売
以前このブログに書いた「アベノミクスによろしく」が元になった書籍が10月6日に発売されることになった。
単にブログの内容を書籍にしたものではない。ブログ版は前後編合わせても1万2000文字程度に過ぎなかったが,書籍版は8万文字ぐらい。大幅に加筆・修正している。
本書の特徴はそのデータ量。グラフと表が合わせて90近く出てくる。これほどデータを駆使した書籍は他に無いのではないかと思う。
本の内容を漫画と共にダイジェストで紹介する。
第1章 アベノミクスとは何か
【©「ブラックジャックによろしく」佐藤秀峰】
この章ではアベノミクスが一体何なのかについて説明している。
アベノミクスはほぼ異次元の金融緩和に尽きると言ってよい。
それがどれくらい異次元のものであるかは,マネタリーベースの対名目GDP比をアメリカと比較すると分かりやすい。
このグラフを見たとき,日銀のやっていることがどれほど異常なことなのか,理解できるはずである。アメリカの金融緩和など比較にならない。
私は最初にこのグラフを見たとき,恐怖を感じた。
いくら異次元と言っても,ここまで異次元だとは思っていなかった。
第2章 マネーストックは増えたか
【©「ブラックジャックによろしく」佐藤秀峰】
マネタリーベースというのは,「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」+「日銀当座預金」の合計値のことである。ざっくり言えば,日銀が民間銀行に供給するお金と考えれば良い。日銀は民間銀行から国債を買いまくり,代わりにお金を渡している。これにより,民間銀行が日銀に持っている「日銀当座預金」の残高は異常なペースで増えている。
他方,マネーストックというのは,実際に世の中に出回っているお金のことである。民間銀行からの貸し出し等を通じて,世の中にお金が行き渡らなければ,マネーストックは増えない。マネーストックが増えなければ物価も上がらない。
では,そのマネーストックはどうなったのかについて分析しているのがこの章である。
特に,マネタリーベースとマネーストックを指数化して比較しているグラフが必見である。
私はこのグラフを見て爆笑してしまった。あまりのダダ滑りっぷりに。
これを見るだけでもアベノミクスは失敗だったと言い切ってよいような,衝撃的なグラフである。
思わず「全然そうなってませんけどォォォォォォ!」と叫びたくなるだろう。
第3章 国内実質消費は戦後最悪の下落率を記録
【©「ブラックジャックによろしく」佐藤秀峰】
民間最終消費支出というのは,国内民間消費の総合計額のことである。
その実質値は,2014年度,リーマンショック時を超える下落率を記録した。
さらに驚くべきは,2015年度の実質民間最終消費支出はその2014年度をも下回った。
2年度連続で実質民間最終消費支出が下がるのは,政府が公開しているデータで見る限り戦後初である。
(なお,暦年データでみると,リーマンショック時も2年連続で実質民間最終消費支出が下がる現象は起きている。書籍では漫画の中のセリフが「2年連続」になっており,「度」が抜けている。これは間違いである。ゲラではそうなっていなかったのだが。重版になれはこの部分は直す予定である。)
そして,2014年度も2015年度も,アベノミクス開始前である2012年度の数値を下回った。
これほど消費が冷え込んだことを,一体どれだけの国民が知っているだろうか。
これを言うと「すべて増税のせい」と言う輩がいるが,誤りである。
2013年度~2015年度までの間に,消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く)は5%上昇した。
そして,日銀の試算によると,3%の増税による物価上昇は2%である。
犯人はアベノミクスである。異次元の金融緩和で無理やり円安にしたため,輸入物価が上がった。それが大きく影響した。
増税も,円安も「物価が上がる」という効果は同じである。
そして,給料が変わらないのに物価が上がれば消費が冷えるのは当たり前。
2013年度~2015年度の間に,名目賃金は0.5ポイントしか上がっていない(暦年だとわずか0.1ポイント)。だから,物価を考慮した実質賃金は4.3ポイントも落ちた。少なくとも過去22年度で最悪である。それが消費の落ち込みに直結した。
実質賃金下落について,「非正規が増えたから平均値が下がった」という最もらしいウソを信じる人が後を絶たない。しかし,よく考えていただきたい。それが本当だったら名目賃金も下がらなければならない。しかし,下がっていない。
実質賃金が下がった原因は,増税とアベノミクスで物価が上がったからである。そして,アベノミクスの影響の方が大きい。騙されてはいけない。
GDPの6割を占める民間最終消費支出がこれほど落ち込んだのだから,GDPはもちろん悲惨なことになった。国内経済はすさまじく停滞した。
ここで,アベノミクス失敗を象徴する現象を5つにまとめると下記のとおりである。
1.2014年度の実質民間最終消費支出はリーマンショック時を超える下落率を記録した。
2.戦後初の「2年度連続で実質民間最終消費支出が下がる」という現象が起きた。
3.2015年度の実質民間最終消費支出は,アベノミクス開始前(2012年度)を下回った(消費がアベノミクス前より冷えた)。
4.2015年度の実質GDPは2013年度を下回った(3年分の成長率が1年分の成長率を下回った。)
5.暦年実質GDPにおいて,同じ3年間で比較した場合,アベノミクスは民主党時代の約3分の1しか実質GDPを伸ばすことができなかった。
正に史上空前の大失敗を犯したアベノミクス。
アベノミクスがもたらしたのは「官製スタグフレーション」である。実質GDPを見れば明らかに経済が停滞したのだが,物価だけが上がってしまった。
しかし,信じられない出来事が,国民の全く知らないところで起きていた。それが次の第4章で明らかになる。
第4章 GDPかさ上げ疑惑
【©「ブラックジャックによろしく」佐藤秀峰】
2016年12月8日,GDPは改定された。過去22年も遡って。
この事実をほとんどの国民が知らないだろう。
そして,知っている人は,この改定を「2008SNA対応」のためのものであると理解しているだろう。
2008SNAというのは,最新の国際的GDP算出基準である。この基準に従うと,新たに研究開発費等がGDPに加わるので,GDPが大きくかさ上げされる。
だが,この改定に際し,「その他」の名目で,異常なかさ上げがされたことに誰も気づいていない。
「その他」は2008SNAとまったく関係ない。このまったく関係ない部分において,アベノミクス以降だけが,異常にかさ上げされているのである。
この記事はあくまでダイジェストなのでグラフは本を買って見てほしいのだが,「その他」のかさ上げ額を示したグラフだけは特別に公開する。
アベノミクス以降だけ異常にかさ上げされてるのが一目瞭然である。
アベノミクス以前はむしろほとんどマイナスになっている。特に90年代は大きくマイナスになっている。1994年度と2015年度のかさ上げ額の差は実に15.3兆円。
同じ基準で改定したにもかかわらず,なぜこれほどかさ上げ幅に異常な差が出るのか。
一体この内訳はどうなっているのか。
担当編集者から,この「その他」の内訳について,GDPを作成した内閣府に問い合わせをしたところ,「内訳は無い」との回答であった。
そうであるならば,どうやってこのかさ上げ額を算出したのか。
内閣府からの回答により,私の中で「故意に数字を操作したのではないか」という疑惑がほぼ確信に変わった。
なお,「その他」だけでなく,2008SNA対応によるかさ上げ額もアベノミクス以降が1位~3位を占めている。
その結果,改定によるアベノミクス以降の数字はとんでもないことになっている。
私はこの現象を「カサアゲノミクス」と名付ける。
カサアゲノミクスによって,前述した「アベノミクス失敗を象徴する5つの現象」は一体どうなったのか,そして,カサアゲノミクスが何を目標にしているのか・・・それは本を読んで確かめていただきたい。衝撃的な事実がそこにある。
これは日本の借金返済能力をごまかす行為である。企業でいうなら粉飾決算。
森友・加計問題は「政策論争とは関係ない」という言い訳が通用するかもしれない。しかし,このカサアゲノミクス問題にその言い訳は通用しない。
アベノミクスという,安倍政権を支えてきた経済政策に対する重大疑惑である。
野党が本気で追及すれば,世界を揺るがす大問題に発展するかもしれない。
第5章 アベノミクスの成果を鵜呑みにしてはいけない
1.雇用改善とアベノミクスは無関係
【©「ブラックジャックによろしく」佐藤秀峰】
アベノミクスの成果として最も強調されているのは,雇用の改善かもしれない。
しかし,それもデータを分析すると,アベノミクスと関係無いことが分かる。
雇用改善は,生産年齢人口の減少,医療・福祉分野の需要増大,雇用構造の変化(非正規雇用の増大)によるもので,民主党時代から続いていた傾向である。
特に,増えた雇用の内訳をみると,アベノミクスと関係ないことがよく分かると思う。高齢人口の増大で,医療・福祉分野の雇用は凄まじく伸びており,これが雇用改善に大きく影響している。
私の知る限り,雇用改善をアベノミクスの成果とする論者の中で,「増えた雇用の内訳」に言及している者はいない。内訳を見れば雇用改善がアベノミクスと関係無いのがよく分かるのだが。わざとやっているなら悪質,わざとでないなら分析が浅すぎる。
2.株価は日銀と年金でつり上げているだけ
【©「ブラックジャックによろしく」佐藤秀峰】
株価が上がってはいるが,それは日銀(量的金融緩和,ETF爆買い)と年金(GPIF)によるものである。
実体経済は全く反映されていない。官製相場である。
公的資金の投入を止めれば,間違いなく株価は大暴落するだろう。
3.アベノミクスの恩恵を受けたはずの製造業でも実質賃金低下
【©「ブラックジャックによろしく」佐藤秀峰】
アベノミクスにおいて最大の恩恵を受けたのは製造業である。
円安による為替効果で,莫大な利益を得た。
だが,その製造業の労働者ですら,実質賃金は下がっている。
物価が急激に上がりすぎたからである。
他の業種と比べれば,製造業の名目賃金は伸びているのだが,それ以上に物価が上がったため,結局実質賃金が下がってしまった。
最大の恩恵を受けた製造業ですら実質賃金が下がったのだから,一般庶民はアベノミクスによる恩恵を全く受けていない。
ただ単に,実質賃金を下げられただけ。エンゲル係数も急上昇。
ただひたすらに,生活が苦しくなっただけ。
その事実に,気付かなければならない。
4.賃上げ2%を達成できたのは少数
【©「ブラックジャックによろしく」佐藤秀峰】
「3年連続賃上げ2%達成」というのは,前回の参議院選挙の際に流れていた自民党のテレビCMで強調されていたものである。
しかし,統計的に見ると,賃上げ2%を達成できたのは全労働者のわずか5%に過ぎない。
日本の民間企業の労働組合組織率は約16%しかない。しかも,労働組合が組織されているのは大きな企業に偏っている。したがって「物価が上がったから賃上げしろ」という圧力が使用者にかかりにくい。それが日本の賃金が上がらない一つの要因になっている。
さっきも言ったが,ほとんどの労働者は,アベノミクスによって,ただ単純に実質賃金を下げられただけである。
第6章 第3の矢は労働者を過労死させる
【©「ブラックジャックによろしく」佐藤秀峰】
3本の矢からなるアベノミクスであるが,第3の矢で何を用意しているかと言えば,残業代ゼロ法案である。
しつこくしつこく「時間では無く成果で評価する制度」などと報道されているが,まっ赤な嘘である。成果給を義務付ける条文が法案に入っていないのだから。
ただ単に残業代をゼロにされるだけである。
この法案については,私が所属するブラック企業対策被害弁護団のウェブサイトに「ブラック法案によろしく」というコンテンツを作ってあるので,是非見ていただきたい。
http://black-taisaku-bengodan.jp/burahou/
「テキストで読むのなんてめんどくせーよ」という方には動画バージョンも用意してある。
なお,この動画に出てくる声は全て私である。1人で20役近く演じ分けている。
つい最近,より端的に残業代ゼロ法案の対象者が分かる内容にした「ブラック法案によろしく2」も作った。こちらもついでに見ていただきたい。
http://black-taisaku-bengodan.jp/burahou-2/
残業代ゼロ法案は単なる金の問題ではない。命にかかわる問題である。
今回の衆議院解散で形式的には廃案になったが,必ず再提出されるであろう。
なお,残業代ゼロ法案は,残業時間上限規制を骨抜きにする内容である。したがって,残業代ゼロ法案を通してしまったら「働き方改革」など絶対に実現できない。
これ以上長時間労働の犠牲者を増やしてはならない。
残業代ゼロ法案についても是非今回の衆議院選挙で争点にしていただきたい。
労働者にとっては最も身近で影響のある問題なのだから。
第7章 アベノミクスの超特大副作用
【©「ブラックジャックによろしく」佐藤秀峰】
この章では,日本の財政状況と,国債発行の仕組みについて解説した上で,金融緩和を止めるとどうなるのかを予想している。
当然である。借換債も含めると,日銀が儲け度外視で毎年約120兆円も国債を爆買いしているのだから。
では,それを止めるとどうなるのか・・・
逆に,止めないでずっと続けたらどうなるのか・・・
この章に書いてあるのはあくまで私の予想である。そして,外れてほしい予想でもある。あまりにも悲惨だから。
アベノミクス最大の問題点は,巨大すぎる副作用である。
第8章 それでも,絶望してはいけない
【©「ブラックジャックによろしく」佐藤秀峰】
この章では総まとめを書いている。
アベノミクスは,壮大な現実逃避である。事実上の財政ファイナンスという禁じ手を使い,財政再建から逃げ続けている。
こんな現実逃避を続ける国家の通貨が,信用を保てるだろうか。私はそうは思わない。
このままではいつか円が暴落する時がくると思っている。それがいつになるかは分からない。
現実逃避が長引くほど,逃げられなくなった時のダメージは大きくなる。
だから,痛みを覚悟してでも,一刻も早くこの現実逃避を止めなければならない。
安倍総理は今回の解散を「国難突破解散」と名付けたが,我が国最大の国難はアベノミクスの副作用である。「円の存立危機事態」が引き起こされている。
円が暴落すれば社会保障も国防もままならない。
この本がつきつけるのは厳しい現実である。
見たくもない,信じたくもない現実である。
だが,目をそらさないでほしい。一人でも多くの方にこの現実を知っていただきたい。
このダイジェストを読んで文句を言いたくなる人もいるだろうが,まずは本を読んでから文句を言っていただきたい。この記事はあくまでダイジェストに過ぎないのだから。
ところで,本に出てくる「モノシリン」というのはコイツである。
どうも担当編集に「ふざけたキャラ」と思われたらしく,本には載せてもらえなかった。ま,別にいいのだが。
そして,「太郎」というのはコイツである。
エクセルで適当に作った,適当なキャラである。私自身がわりと毒舌なので,太郎君も毒舌キャラなのだが,担当編集にはその部分をカットされ,牙を抜かれたおとなしい男子になっている。
この1匹と1人が色々な「仕組み」についてトークするのがこのブログのメインコンテンツである。全然閲覧数は稼いでいないのだが。
これは本当に各記事3分で読み終わる短さである。
目次~このブログについて~ - モノシリンの3分でまとめるモノシリ話
この本は221ページしかない短い本なのでサクッと読み終わると思う。新書だからコンパクトだし,値段も税抜740円とお買い得である。
経済の知識が全くない人でもわかる内容である。用語解説もかなり詳しくした。
1人でも多くの人に読んでほしい。
サンウルブズ,ブルースに圧勝
今日はサンウルブズ対ブルース戦を見に行った。
正直に言うと,勝利はあまり期待していなかった。
相手はあのブリティッシュ&アイリッシュライオンズを破ったチームなのだ。
かたや,我らがサンウルブズは今季1勝。南アフリカでは2連続で大敗。
上り調子の強豪対落ち目の弱小。
普通に考えて,勝てるはずがない。絶対にない。
しかし,頭の片隅に「ひょっとしてひょっとしてくれないかな~」という想いはあった。
これは私だけではないと思う。
ほんのわずかな期待の根拠は「暑いこと」と「チーフスとは接戦を演じたこと」である。
今までサンウルブズは,暑いときに接戦を演じてきたように思う。特にシンガポールでの試合。
「サンウルブズは暑いと強い」。これがなんとなく頭にあった。
そして,チーフスに1トライ差で惜敗したこと。
チーフスとブルースだったら,ブルースの方がちょっと弱い。
だから,ツボにはまればフルースともいい試合ができるのではないか,と思ったのである。
とはいえ・・・いざ試合が始まってみると,ぽんぽんと2トライを取られる。
それぞれスローフォワードとノックオンがスルーされて取られたトライに見えたのだが・・・。特にスローフォワードについては私の席からよく見えたので完全にアウトだったと思う。審判がブルースをえこひいきしているように思えた。
なんて悪いトライの取られ方だ・・・
やっぱり今日もボコボコにされるのか。見てた人はみんなそう思ったに違いない。
さらに田村のパスがインターセプトされてトライ。
この時,もうトライを取られるのは間違いないのに全力で追いかけるブリッツの姿に感動した。
「負けはしたがこのブリッツの姿勢は忘れない」こんなセリフを吐く自分を想像した。
しかし,今日のサンウルブズは一味違う。2トライ返して前半は14-21。1トライ差。
「前半はいい勝負で楽しめた。しかしやはり後半が・・・・」
こんなセリフを吐く自分を想像した。私と同じ思いがよぎった人は少なくないだろう。
この時,だれが想像しただろうか。
この試合のブルースの得点がこの21点で終わることを。
狼達がブルースをこれ以降完封することを。
後半が始まった。
あのジェローム・カイノと,レネ・レンジャーが入ってきた。。。
超強そうだ。こんな怪物たちを止められるのか?
いつフルボッコモードに入るだろうかと思っていたのだが,いつになってもそうならない。
今日のサンウルブズのディフェンスは良かった。
まさに狼であった。獲物に喰らいつくかのごとく,獰猛にタックルする。連携もばっちりだ。
そしてブルースはぽこぽこミスをした。ボールがよくこぼれる。
カイノはハイタックルでシンビンになってるし。
明らかに暑そうだ。
「こんな日にラグビーやるなんてクレージーだぜ」
そんな風に思っていたに違いない。確かにラグビー日和ではない。
だが,暑いのはこちらも一緒だ。むしろサンウルブズは先週まで(冬の)南アフリカにいたメンバーも多数いたのだから,ブルースの方が気候に慣れていたのじゃないか。先に来日してホンダと練習試合していたぐらいなのだから。
しかし,ブルースはもうぐったりしているように見えた。
他方,我らが狼たちはピンピンしていた。とにかくよく動く。
セットプレーも安定していた。ゴール前スクラムを押し込んだときはスクラムトライかと思った(結局パスがつながらずトライまでいけなかったが。あのまま押せばいいのにと思ったのは私だけか。)。今日のスクラムは一度も負けていなかったように見えた。
ラインアウトもほぼ全部確保していたと思う。2メートル級の選手がいないのによく頑張っていた。
そして・・・今まで頻出していた「そこで蹴るの?」と思うようなキックが減っていた。
同点になったあたりからは完全に押せ押せムードだ。
BKも参加した巨大モールでのトライはあの南アフリカ戦を彷彿させた。
それでも,「いや,いつか逆転されるんじゃないか」と思っていた。
勝利を確信したのは残り5分くらいの時か。
まさかあんなにトライラッシュになるとは思わなかった。
がっくりうなだれるブルースの選手を見たときはもはやかわいそうになったぐらいだ。本当に暑くてつらそうだった。
だが,暑くてつらいのはこちらも一緒だ。印象に残ったのはラファエレ。ふと彼をみると,はしっこでクラウチングポーズみたいなのを取りながらふくらはぎをストレッチしているのが見えた。
たぶん,足がつったのだと思う。かなり重症のようで,ストレッチをしたあとちょっとヨロヨロしていた。「もう交代させてあげないとヤベーだろ。」と思った。
しかし,それから1分もたたないうちに彼は全力疾走してトライを取っていた。
結局彼はハットトリックを達成した。
すごい執念だ。そして,すごいイケメンだ。もう一回言うけど,すごいイケメンだ。もっと注目されていいと思う。五郎丸よりイケメンだぞ。
そして試合終了。48-21。
何も事情を知らない人にこのスコアだけを見せたら「そーか。やっぱりダブルスコアで負けたんだね」っていうだろう。
「いや,勝ったのサンウルブズだから」って言っても信じてもらえないんじゃなかろうか。
それほど信じられない大勝だった。
今日の試合では,フィジカルという土台の部分でサンウルブスが勝っているようにみえた。暑いのはお互い様なのになぜサンウルブズだけあんなにピンピンしているのかは謎である。気持ちの問題だろうか。
ところで,90点以上取られて惨敗した南アフリカのライオンズ戦と今回のメンバーの身長と体重を一覧にすると下記のとおり(※先発のみ)。
■対ライオンズ
NO | 名前 | 身長 | 体重 |
---|---|---|---|
1 | 三上 | 178 | 115 |
2 | 坂手 | 180 | 104 |
3 | 山路 | 180 | 108 |
4 | ワイクス | 197 | 109 |
5 | 谷田部 | 190 | 107 |
6 | 徳永 | 185 | 100 |
7 | 金 | 177 | 93 |
8 | ブリッツ | 193 | 108 |
FW平均 | 185.0 | 105.5 | |
9 | 内田 | 179 | 86 |
10 | 小倉 | 172 | 80 |
11 | 後藤 | 177 | 80 |
12 | カーペンター | 183 | 95 |
13 | 山中 | 188 | 95 |
14 | 中鶴 | 177 | 82 |
15 | 笹倉 | 186 | 92 |
BK平均 | 180.3 | 87.1 | |
全平均 | 182.8 | 96.9 |
■対ブルース
NO | 名前 | 身長 | 体重 |
---|---|---|---|
1 | 山本 | 181 | 118 |
2 | 日野 | 172 | 100 |
3 | 具 | 184 | 122 |
4 | 谷田部 | 190 | 107 |
5 | ヘル | 193 | 115 |
6 | イラウア | 187 | 105 |
7 | 松橋 | 180 | 99 |
8 | ブリッツ | 193 | 108 |
FW平均 | 185.0 | 109.3 | |
9 | 内田 | 179 | 86 |
10 | 田村 | 181 | 91 |
11 | 福岡 | 175 | 83 |
12 | ラファエレ | 186 | 98 |
13 | トゥポウ | 187 | 101 |
14 | 松島 | 178 | 87 |
15 | フィルヨーン | 185 | 90 |
BK平均 | 181.6 | 90.9 | |
全平均 | 183.4 | 100.7 |
フォワード,バックスともに,今回の先発メンバーの方が約4キロほど重い。
そして,ライオンズ戦で先発し,ブルース戦も先発したのは谷田部,ブリッツ,内田の3名のみ。
今回のサンウルブズは,ライオンズ戦とは全くメンバーが違うし,体格も一回り大きいチームだったことが分かる。
ちゃんとメンバーが揃えばいい試合ができる,とは言ってよいと思う。
私はもう来シーズンが楽しみである。
グーグルが最高裁判事をパンツ被った男性と認識している件
つい最近,新しい最高裁判事に戸倉三郎元東京高裁長官が任命された。
ここで,グーグルで「戸倉三郎」を検索すると,下記の検索結果が表示される(今日撮ったスクリーンショット)。
どうもグーグルは戸倉三郎裁判官をパンツを被った男性と認識しているらしい。
戸倉三郎裁判官はあのパンツ一丁裁判官の岡口基一氏を注意した御仁である。
その理由の一つは,縄で縛られた上半身裸の写真をツイッターに投稿したから。
で,このパンツを被った男性の写真は戸倉三郎氏ではなく,弁護士の藤井総氏である。
こちらのリンク先でパンツを被った姿を披露していらっしゃる。
戸倉三郎氏,岡口基一氏,藤井総氏をつなぐキーワードは「パンツ」である。
この3者をパンツを介して引き合わせたのはいったいどこのどいつだよ・・・・
私です。
グーグルが戸倉三郎氏を「パンツを被った男性」と認識してしまったのは明らかに私が書いた下記の記事が原因。
これがAIの限界といったところであろうか・・・
ところで,誤解されているかもしれないので念のため言っておく。
戸倉三郎氏は「パンツ一丁」を注意したわけではない。
あくまで縄で縛った写真を投稿したこと等を注意しただけである。
「パンツ一丁はセーフ,縄で縛るとアウト」
これが世に言う「戸倉基準」,英語名「トクラ・スタンダード(略称:トク☆スタ)」である。
業界では戸倉基準により「パンツ一丁の自由」が確立されたと言われたり言われなかったりしているらしい。そのうち憲法の教科書にも載ると思うよ。
ところで,「じゃあ裁判官がパンツを被ったらどうなるのか?」という疑問は当然生まれる。
戸倉基準からはパンツを被ったらセーフかどうかは不明である。
少なくとも,弁護士会ではセーフだ。藤井弁護士は懲戒されていないのだから。
ただ,それも彼の被り方がパンツ・オン・ヘッド(P・O・H。ポー)だったからかもしれない。
より変態性の高い,フェイス・イン・パンツ(F・I・P。フィップ)だとどうなるかは不明である。
↓フィップの例
引用元
つまり,被ってみないと分からないということだ。
そうやって自由の輪郭がはっきりしていくのである。
ただ,パンツを被って何か得られるものがあるかどうかは不明である。
グーグルはいつまでこの検索結果を放置するのであろうか。
私は注目している。