モノシリンの3分でまとめるモノシリ話

モノシリンがあらゆる「仕組み」を3分でまとめていきます。

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君は哲学者コウ・メダユーを知っているか

ツイッター界にコウ・メダユーという新進気鋭の哲学者がいることをご存じだろうか。

初めて彼を知った時の衝撃は忘れられない。

 

草野球やってたらいきなりマウンドに大谷翔平が上がってきて165キロのストレートを投げ込んできたような、そんな衝撃である。

 

メダユーはお笑い芸人のコウメ太夫のツイートに返信する形で姿を現す。

最初に私がメダユーを知った時のツイートがこれである。

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まず、大元のコウメ太夫のツイートから見てみよう。ウミガメの産卵かと思ってたらオッサンの野グソだったというどうしようもないウンコネタである。

もう一度言う。どうしようもないウンコネタである

それをメダユーがどう料理しているか。

まず、「ゾーエ」という概念をたった2行で説明してから、コウメ太夫のツイートをこれにあてはめ、「野糞と亀の排卵が本質に於いて同質であると指摘したのだ」という「哲学っぽい」オチで締めている。

再度言うが、もともとはどうしようもないウンコネタである。

それを・・・・「実は哲学が背後にある」と思わせてしまうツイートに昇華させるメダユー。

ただのウンコだったのが味噌になってしまったようなものである。

さて、もう一つ見てみよう。

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これも先ほどとパターンが似ている。

まず哲学ウンチクを披露し、概念を説明した後、コウメ太夫のツイートをそれにあてはめ、「ヴェブロンの議論に対し反証を示した」という「哲学っぽい」オチで締めている。

 

考えてみてほしい。

このようなツイートをするには、まず深い哲学的素養が無ければならない。

深く理解しているからこそ、あれほど短く要約できるのだ。不正確な理解だと要約はできない。

そして、コウメ太夫のツイートを哲学的概念にあてはめ、最後に「哲学っぽい」オチに持っていくユーモアも必要である。

 

この困難な作業をたったの140文字で実現しているのがメダユーなのである。

今まで私はツイッターについてROM専だったが、自分でもつぶやくようになった。だから分かる。言いたいことを140文字に収めるのはかなり難しい。

哲学的概念のような難しいものを説明するには、140文字では到底足りない。

それを、メダユーは、説明するどころかコウメのツイートをそれにあてはめ、独自の結論を導くことまでやってのけているのである。

一体何者なのだ・・・・異次元の文章力というしかない。

 

クソリプを見事に料理するメダユー

 

メダユーの凄いところはこれだけではない。

クソリプに対して見事な返しを見せている。

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元のコウメ太夫のツイートも意味が分からない(いつものことだが)。

そして、正直なところこのメダユーのツイートも意味がよく分からない。

さらに、そこについたリプも「その変容はどういった参考になるのでしょうか」というものであり、よくよく考えると意味が分からない(「どういった参考になるのでしょうか」っていう言葉の使い方ってしますかね。)

しかし、メダユーはこの全然意味が分からないカオス状態を見事に解決するのである。

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私もこれを見てやっと理解できた。反復は何度も用いられること、反覆は意味が変わっていくことを意味している。アスキーアートも使っていくうちに意味が変わるという趣旨なのであろう。それをメダユーはコウメ太夫のツイートから読み取ったのである。

 

なんという見事な返しだろう。ただのクソリプが、深い理解を導くナイスアシストに昇華されている。もはやクソリプではない。

こんな短い文章でこんな分かりやすい説明ができるのは尋常ではない。

 

ここで紹介したのはメダユーの世界のほんの一部である。ぜひ彼に注目していただきたい。

 

ところで・・・

 

私は恐ろしい事実を知ってしまった。

このメダユーは「コウメ太夫文化圏」を構成する一つの要素に過ぎないのである。

これについては、非常に深く分析した優れた論考が存在するのでぜひ読んでいただきたい。下記リンクから。

ken-horimoto.com

 

東京大学文学部哲学科コウメ太夫専攻の教授が書きました」と言われたら信じてしまいそうな、もはや学術論文と言って差し支えない記事である。

著者堀元氏はこうおっしゃっている。

ということで、文化を作りたい僕にとって、フラクタル構造を持つ大文化圏を作り上げたコウメ太夫は大いなる目標であると言えます。

 

目標になっちゃったよ!

 

ここで私は気づいた。

本当にすごいのはコウメ太夫ではないか。

毎日見てるからわかるが、本当に意味不明のツイートばかりしている。

だが、だからこそメダユーやその他、数多のアカウントが集い、「コウメ太夫文化圏」という新世界を作り上げているのである。

 

まるでブラックホールのような男である。

 

コウメ大夫をのぞくとき、コウメ太夫もまたあなたをのぞいている。

 

気づいた時にはもう遅い。コウメ太夫が気になって仕方がなくなっている。

意味不明のツイートに深遠な意味を探そうとしている。

そのうちコウメのツイートに明日を探そうとしてしまうだろう。

あるいは別れた恋人を探そうとしてしまうかもしれない。こんなとこにいるはずもないのに。

そしてコウメのツイートに会いたくて震えるのだ。

 

そんな自分を知った時、あなたはこう言っているに違いない。

 

チックショー!!