ウィンドウズ10強制アップデートでウイルス対策ソフトが無効になっていた件
今,世界中である出来事が起きている。
ウインドウズ10強制アップデート。
ちょっと前から「お前更新せい」という画面がポコポコ出てきていたが私は全部無視していた。
ところが,,,いつの間にかアップデートされていた。
似た体験をした人はたくさんいるだろう。
家のパソコンも,職場のパソコンも同時期にやられた。
まず家のパソコンの方で気付いたのだが・・・ウイルス対策ソフトが無効になっていた。
無効になっていたという表現が正しいのかどうか分からないが,端的にいうと「俺,お前を今守ってねえ状態だぜ」という表示が出ていたのである。
私が使っていたソフトはAVGの有料のやつ。
ウイルス対策ソフトが無効になっているパソコンなんて,パンツ被ってない変態仮面と一緒じゃないか!
変態仮面がパンツ被ってなかったら・・・それはただの変態じゃないか!
つまり俺のパソコンはただの変態になり下がった状態ということか!
ならん!断じてならん!
というわけで色々試行錯誤してみた。再アクティベートなるものを試してみたのの,うまくいかない。
最終的には,いったんアンインストールして,再度インストールしたらうまく起動した。ちゃんとパンツ被った状態になった。
次は職場のパソコンだ。
職場のパソコンはEsetなんちゃらとかいうよく分からんウイルス対策ソフトが使用されている。
これはネットワーク関係の構築を外注している業者が入れているもの。
確かめてみたら,やっぱり無効になっている。。。。
と,私はここでウインドウズ10の画面を操作してセキュリティの状態をまずチェックしてみようと考えた。
詳細なチェック方法はこちらのサイトで確認した。
それで確認してみたら,どうも既存のウイルス対策ソフトは無効になっているのだが,その代わりに起動しているウイルスソフトがあるらしい。
それがWindows Defenderという奴である。
お前誰だよ。雇った覚えねえよ。
どうもこいつがウインドウズ10とセットでインストールされるらしい。
ウィキぺディアによると,こいつはVistaから搭載され始めたウイルス対策ソフトなんだそうな。
いたのかよそんな奴。
というわけで,既存のウイルス対策ソフトが無効になっても,こいつが代わりに守ってくれているようだ。パソコンはちゃんとパンツ被った状態だった。
問題は,これが信用できるのかどうかである。
業者の方にも確認してみたが,よく分からんそうだ。
そりゃそうだよね。こいつが信用できるのかどうか,誰も分からんよ。
ユーザーとしては今まで慣れ親しんだウイルス対策ソフトの方が安心できると思うね。
頭にくるのは勝手に無効にされていたことだ。これ,許されるのか。
業者の方曰く,このウインドウズ10勝手にアップデート騒動であちこちから問い合わせがあっててんやわんやになっているらしい。
要はOSのアップデートにアプリがついていけてなくて,不具合が出るそうな。
監督がいきなり交代して選手がついてきてないみたいな状態かな。
これは社会問題にならないのだろうか。マイクロソフトがやっていることはけっこうやばい気がする。
安倍総理「立法府の長発言」の裏に隠れてしまったもの
安倍総理が「立法府の長」と発言したのが話題になってるね。ところで総理が発言しているあの場は何なの。
あれは衆議院の予算委員会だ。委員会というのは,本会議の前に法案を審査する会だ。色々な委員会がある。
全部の法案をみんなで審査すると効率が悪いから,分野を分けて委員会を作り,専門的な議論ができるようにしている。
委員会で可決された法案は基本的に本会議でも可決される。だから,法案の実質的な審理は各委員会でなされているとうことになる。
ふ~ん。じゃあ予算委員会というのは予算について専門的に議論をする場所ということだな。
そう。今は補正予算について議論している。
予算は国政のあらゆることに関係してくるから,質疑の範囲も非常に広い。委員会の中で最も注目されるのが予算委員会なんだ。
何について議論してたの?
※実際の動画がこちら
それで,山尾議員と安倍総理はそもそも何の議論をしていたのかな。
山尾議員が質問していたのは,大きく分けて二つだ。
1つは,熊本地震に関連して,被災者生活再建支援法の対象要件と支援金の拡大をできないか,ということだ。
現状だと救済が不十分ということかな。
そうだね。現行法だと,解体まで必要ない程度の家屋の損壊の場合,支援金が支給されない。
他方,解体が必要になった場合に給付されるお金は300万円しかないから,これだと足りないと山尾議員は主張している。
なんか中途半端な法律になってしまっているのね。
そう評価することもできるだろう。だが,これについて総理は,対象要件及び支援金のいずれも拡大しないと回答している。
次に山尾議員が質問したことが,「立法府の長」発言につながるものだ。
山尾議員は,民進党が厚生労働委員会に提出した法案について与党側が審議に応じないと批判している。
特に保育士の給与を5万円引き上げる法案について,1ケ月半以上も審議入りしていないと非難しているね。
ふ~ん。そういう質問て予算委員会ですべきものなの?
保育士の給与引き上げに関する法案は厚生労働省が担当する分野なので,本来は衆議院厚生労働委員会で議論すべきことなのは確かだ。
だが,厚生労働委員会で1ケ月半以上も審議入りしてくれなかったので,いわばしびれを切らして予算員会で問題にしたのだろう。
何で審議入りさせないのかな。
野党が提出した法案よりも,内閣(与党)が提出した法案の審議を優先させているから,というのが考えられるね。
あるいは,選挙前に審議入りさせて否決すると,選挙に影響すると考えているのかもしれない。
「保育園落ちた日本死ね」ブログの件で,保育士の給料が低すぎることはけっこう話題になっているもんね。
それだけ話題になってるのに「給料は上げません」ていったら,与党の印象が悪くなるだろうな。
そうかもね。この山尾さんの質問に対して,安倍総理は国会でやってくださいと返しているね。つまり厚生労働委員会で議論しろということだ。
なんか素っ気ないね。形式的な答えに聞こえるな。国民の関心が高い事柄だからちゃんと答えてほしいと思うんだけど。後ろで石破さんがそっくり返っているのが何か面白いね。
この石破さんのリアクションは何だろうね。「そんな答弁しちゃうの」という趣旨なのかな。
これに対して,山尾議員はTPPの時は無理やり審議を進めたじゃないかと批判しているね。
TPPの時は総理の意向を反映して審議を優先させたのだから,保育士の給与引き上げについても総理の働きかけがあれば審議を進められるだろうと言いたいのだろう。
まあ総理は与党の総裁でもあるしね。総理が促せば審議が進みそうな気がするけど。
この質問の後に,例の「立法府の長」発言がある。
ここまでの状況を再確認しよう。山尾議員が保育士給与引き上げの問題について質問したことに対して,総理はあくまで国会つまり厚生労働委員会でやれと反論している。
そして,山尾議員に対して「議会運営について勉強していただきたい」と述べた上で,「議会については,私は立法府の長であります。」と発言している。
その後で,要するに国会は国権の最高機関であり,行政府とは別の権威なのだから,総理大臣が審議の順番についてあれこれ言うことは無いという趣旨の発言をしている。
その文脈からすると,安倍総理は「立法府の長」じゃなくて「行政府の長」って言いたかったんだろうな。そうじゃないと意味がつながらない。
そうだね。総理大臣は行政府の長だが,法案の審議の順番は立法府が決めることなので,総理大臣が口を出すべきではない,と言いたいのだろうからね。
じゃあ単なる言い間違いということだな。石破さんだけ「むむ!」という感じでリアクションしてるけど。なんか石破さんリアクション豊かで見てると面白いね。
そうだね。この発言の後,山尾議員も何も突っ込んでいないから,彼女も単なる言い間違いととらえたのだろう。
なのに,結構ネットで話題になっているよね。質疑の当事者達が問題にしていないところが話題になるってなんか違和感があるな。
そうだねえ。その言い間違いの後に重要なやり取りがあったんだが,そこはイマイチ話題になっていないね。
保育士の給与引き上げの基準が「女性の」平均賃金?
この後,塩崎厚労大臣が出てきて,保育士の給与について,「『女性の』平均賃金と4万円の差があるので,この差が無くなるように処遇を改善していく」という趣旨の発言をしている。
これを受けて山尾議員が「びっくりしました」って反応しているね。
そうだね。この日の質疑で山尾議員が最も注目してほしいのはこの塩崎大臣の発言だろうな。
保育士の給与は全労働者の平均からすると11万円も低い。しかし,塩崎大臣は何故か全労働者ではなく,女性労働者の平均賃金との差額4万円を問題にしている。
現在男女の賃金格差が存在することは事実だが,それは本来あってはならないことだ。男女で賃金に差をつける合理的な理由は無いからね。
労働基準法4条も,「使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。」と定めている。
ところが,塩崎大臣のこの発言は,男女の賃金格差を許容するものと受け取られかねない。かなり迂闊な発言だと言えるだろう。
それにこの発言は,暗黙の前提として「保育士は女性の仕事」という認識があるんじゃないかな。
保育士は女性だけではない。割合は確かに少ないが,男性の保育士もいる。その点から言っても,女性労働者の平均賃金を目安にする合理的な理由は無いだろう。
単に処遇を改善していきますって言えば良かったのにね。
「保育士は女の仕事だから給料が低くてもいい」って受け取る人もいるんじゃないの。
そうだね。そういう風に捉えられてしまう可能性もあるから,これは与党側にとって危ない発言と言えるだろう。
山尾議員はこの発言を大変問題視して,総理に対しても,撤回するのか否かを聞いている。
これに対して,総理は色々述べているが,結局「撤回する」とは言っていない。
これは撤回しても良かったんじゃないかな~。総理の回答を聞いていると,自民党だって処遇改善について今まで何もしてなかったわけじゃないんでしょ。
少しずつ処遇を改善してきたという内容の回答をしているじゃん。それが台無しになっちゃう気がするんだけどな。
うん。だけど,結局「立法府の長」発言が注目されてしまって,この点は問題にされていない。
自民党支持者の方からは,このとき山尾議員が「男尊女卑政権」と発言したのが問題だ,という意見があるようだけれども。
「立法府の長」発言も「男尊女卑政権」発言も,対して注目すべきものじゃない気がするな。そういうところにばかり注目して肝心の議論の中身が知られていないって,なんだか違う気がする。
そうだね。そこばかり注目されるのは,質疑の当事者達の本意でもないんじゃないかな。
【40】石油のまとめ~生物の遺骸が積み重なったもの~
【分かりやすくまとめると・・・】
・石油は,生物の遺骸が積み重なって生まれたという説が有力。
・石油埋蔵量と一般に認識されているのは,可採年数のこと。これは現在発見されている石油を採算の合うコストで採掘できる年数。埋蔵量そのものではない。
・石油は沸点の違いを利用して蒸留され,燃料・ビニール・ゴム・繊維等に使われている。
石油がどうやって生まれるのかについては,大きく二つの説がある。
ひとつは,生物の遺骸が積み重なって,それが地熱と圧力で変化し,石油となった,というものだ。
これは生物由来説と呼ばれている。
それ,発生過程が石炭と同じだね。
そうだね。石炭も生物の遺骸が積み重なってできているからね。
両方とも主に炭化水素からできている点も共通しているね。
液体と固体の違いに過ぎないとも言えるね。
そうかもね。さて,もう一つの説は,石油は地球の底から湧き上がってくる,というものだ。
これは無機由来説と呼ばれている。
生物が元になっていないということだな。
この説は,元々地球の奥深くに含まれていた炭化水素が,地球の熱と圧力で変化して石油になった,と主張している。
その説に立つと,石油は地球の底からどんどん湧き出てくることになるね。
そうだな。石油の枯渇を心配しなくてよさそうだね。
ただ,現在は生物由来説が有力だ。
そうすると,いつか石油は無くなりそうだね。あとどれくらいの量があるの?
現在のところ,分かっているだけであと50年以上利用できる量があるようだよ。
それ,僕が小さいときは,あと30年しかもたないとか言っていたような気がするんだけど。
どんどん増えてない?
石油埋蔵量と一般に思われているのは,可採年数のことなんだ。
簡単に言うと,現時点で採掘可能な石油の量を,年間生産量で割った値が,可採年数だ。
つまり,あくまで現時点で見つかっている石油しか対象になっていないということだね。
そうだ。しかも,採掘可能というのは,採算の合うコストで採掘できるという意味だ。
仮に採掘すればするほど赤字になってしまうとしたら,可採年数が0になってしまうということだね。
可採年数が石油の埋蔵量を示しているわけではないんだな。
そうだ。さっき僕が言った50年というのも,あくまで可採年数のことさ。
だけど,いずれ石油が枯渇する日は来るだろうね。
石油は炭化水素化合物をはじめ,色々な物質が含まれている。
その色々混ざった最初の状態の石油を原油という。
それを蒸留することによって,色々な物質に分けている。
蒸留というのは,沸点の違いを利用して,物質を分離させることだ。
沸点が低い物質は,沸点が高い物質よりも早く蒸発する。
そうやって沸点の低い物質からどんどん蒸発させて,分離していくわけだな。
そうだ。蒸留によって石油は天然ガス,ナフサ,ガソリン,灯油,軽油,重油,残油に分離される。
そして,様々な用途に使われる。例えば,ガソリンは車の燃料として使われている。
灯油は純度を高くして飛行機の燃料に,重油は船舶の燃料に使われる。
石油は軽いし場所も取らないから,乗り物の燃料としては最適だね。
特に飛行機は,石炭だと重いから飛ばせないだろうね。
そうだね。それに石油の方が熱効率が良い。
燃やした時に生じるエネルギーが石炭よりも大きいんだ。
石油の使い道は燃料だけじゃないんだよ。
ナフサからは,プラスチック,ビニール,ゴム等が作られる。
さらに,洗剤,塗料,はては洋服も石油から作られている。
え,石油で出来ている洋服なんてあるの?
太郎,君の履いているジャージのタグを見てごらん。
ポリエステル100%て書いてあるよ。
じゃあそれは石油から出来ている洋服だ。
へえ~そうなんだ。なんか不思議だね。石油から服が出来るなんて想像できない。
太郎,糸というのは元をたどれば生物の体から出来ているだろ。
綿糸は綿の植物繊維だし,ウールは羊の毛だ。
そうだね。あ,生物由来説に立てば,石油も生物の体から出来ているわけか。
そのとおりだ。そしてどちらも炭素化合物の塊だ。
そう考えると,石油から色々な製品が出来るのは不思議じゃないな。
石油は生物達の残骸だからね。
現代社会は石油が無くては成り立たない。
でも,石油はいつか枯渇してしまうから,代わりのエネルギーを見つけ出す努力が続けられている。
次は飛行機について話をしよう。石油が使えるようになって初めて,飛行機を飛ばすことができるようになったからね。