モノシリンの3分でまとめるモノシリ話

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今こそ「ソノタノミクス」に注目せよ

国交省が統計不正が発覚して大問題になっている。経緯や問題点についてはこの朝日新聞のまとめ記事を見るとよい。新たな情報に合わせて随時更新されるという。

www.asahi.com

 

調査票の原票を消しゴムで消し、鉛筆で書き換えていたというのだから驚きである。生データを変えてしまっているため、復元もできない。年間1万件ほど行われていたそうである。

なお、これについては私も朝日新聞から取材を受けてちょっとコメントしている。

www.asahi.com

 

そして、以前毎月勤労統計で不正をやらかした厚生労働省は、またも不正をしていたことが発覚した。

nordot.app

 

こんなニュースが続くので、「日本政府は統計をいじくることなどしない」など、もう誰も思っていないだろう。

 

そこで、この機会に私が拙著で繰り返し指摘している「ソノタノミクス」について、改めて注目していただきたい。

 

この問題こそが、本丸である。GDPそのものがいじくられて歴史が変えられている。

 

「ソノタノミクス」とは、GDP改定の際に、「その他」という謎の項目によって、アベノミクス以降のみ数字が大きくかさ上げされた一方、それ以前については1990年代を中心に大きくかさ下げされた、という現象のことである。

 

2016年12月8日,内閣府GDPの算出方法を変更し,それに伴い,1994年以降のGDPをすべて改定して公表した。要点は下記のとおり。

 

1.実質GDPの基準年を平成17年から平成23年に変更
2.算出基準を1993SNAから2008SNAに変更
3.その他もろもろ変更
4.1994年まで遡って全部改定

 

上記2の「2008SNA」によって、研究開発費等が上乗せされるため、GDPが20兆円程度上がる、ということが強調された。

 

しかし、ポイントは3の「その他もろもろ変更」という部分である。

大事なことなので5回言う。

 

・「その他」は2008SNAと関係ない。

・「その他」は2008SNAと関係ない。

・「その他」は2008SNAと関係ない。

・「その他」は2008SNAと関係ない。

・「その他」は2008SNAと関係ない。

 

なんでこんなにしつこく言うのか。GDPかさ上げを指摘すると、必ず「2008SNAに合わせたから上がっただけ」と言う輩が湧いてくるからである。

 

改定によってどれだけGDPがかさ上げされたのか。新旧を比較してみよう。

 

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このように縦に並べただけだと、全体的に上方へ並行移動しただけのように見えるかもしれない。しかし、違うのである。これを分離してみよう。まず、旧基準から。

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このように、改定前,2015年度の名目GDPは,ピークだった1997年度と20兆円以上も差があった。

しかし改定後の差は下記のとおりわずか0.9兆円となっているのである。つまり、2015年度の数字が、史上最高値であった1997年度にほぼ追いついてしまった。

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その後どうなったかというと、めでたく2016年度に史上最高値を記録し、コロナ禍前の2019年度まで最高値を更新し続けたのだ。まさに歴史が変わったのである。

ただ、2017年度~2019年度はほぼ横ばいであり、しょぼい。それ以前の伸びがウソのようである。

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話を元に戻す。下記のグラフは、新旧GDPの差額を抜き出したものである。

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かさ上げ幅はアベノミクス以降が突出。

金額で言うと、2015年度はアベノミクス直前(2012年度)の1.5倍。

そして90年代との差が異常。1994年度なんか6.8兆円しかかさ上げされていない。

 

この差額の内訳が、下記表である。

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要因を大きく分けると、①2008SNA対応によるもの②その他、の2つである。2008SNA対応部分については、内訳が詳細に書かれているが、その他はたったの1行。

 

まず、2008SNA対応部分のかさ上げ額を見てみよう。

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同じ基準で改定したはずなのに右肩上がりになっており、これも不自然なのだが、「その他」はこの比ではない。下記のとおり。

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アベノミクス以降だけが急激にかさ上げされている。アベノミクス以降のかさあげ平均値は5.6兆円。

他方、特に90年代は全部マイナス。その平均値を出すとマイナス3.8兆円。

このように、90年代を中心に異常なまでにかさ下げされた一方、アベノミクス以降だけが昇竜拳のようにかさ上げされているのである。

これがソノタノミクスだ。

もう、誰が見てもおかしいだろう。なぜ私しかツッコミを入れないのだ。

 

このソノタノミクスの影響がいかに大きいか。

改定後の数値から「その他」を引くと、それが分かる。

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このように、「その他」を引いてしまうと、2015年度は1997年度に遠く及ばない。その差は13.4兆円。「その他」で数値が大きく調整されたことで、2015年度が1997年度にほぼ追いついたことが分かる。

この「その他」を引いた数値について、より深く分析してみよう。

このなかで、一番高いのが1997年度の538.1兆円。次いで、2007年度の534.4兆円。

「2016年度以降でGDP史上最高達成」を実現しようとした場合、この2つの年度が最も邪魔者である。

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で、この1997年度と2007年度、「その他」でどれくらいかさ「下げ」されているのか見て見よう。

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このように、かさ下げ額で言うと、異常にかさ上げされているのが1994年度の7.8兆円で1位なのだが、2位が1997年度の5兆円、さらに3位が2007年度の3.4兆円なのである。つまり、改定前の名目GDPで1位と2位になっている年度のかさ下げ額が、それぞれ2位と3位につけていることになるのだ。

 

改定前に数値が高かった年度を狙ったかのように大きく下げているように見える。そして、当該年度だけを下げるとバレバレになるので、それ以外の年度もほどよく下げて目立たなくさせているように見える。このように見えてしまうのは私だけか。

 

ところで、この「その他」によってかさ上げされた金額はどこに充てられたのか。改定前後の名目最終消費支出の差額と、「その他」を並べて見よう。

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このように、改定前後の名目民間最終消費支出の差額と、「その他」のかさ上げ額を比較すると、アベノミクス以降のみ、3年度連続でほぼ一致する。

「その他」で異常にかさ上げされた数値は、アベノミクスで最も失敗した民間消費に充てられたように見えるのである。

 

ただ、非常に笑えてしまうのが、こんなに一生懸命かさ上げしたのになおしょぼいということである。このしょぼさは暦年実質民間最終消費支出を見るとよく分かるので見てみよう。なお、実質民間最終消費支出はGDPの55%前後を占める数値であり、ここが伸びないと日本経済は伸びない。

 

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2020年はコロナの影響だから仕方ないが、その前から悲惨である。

2014年~2016年にかけては3年連続して落ちている。これは戦後初である。

また、2019年は、6年も前の2013年より下である。この「6年前を下回る」というのも戦後初である。

結局、2013年以降全ての年で、2013年の数値を下回っている。戦後最悪の消費停滞である。消費税増税の影響もあるが、それだけではこれほど落ちない。アベノミクス第1の矢「異次元の金融緩和」が引き起こした円安による物価上昇が被さったことにより、こんな悲劇が生まれたのである。

 

かさ上げしてこれなのだ。

かさ上げしなかったら、一体どうなっていたのだ。

日本は、コロナ禍になる前から、本当はマイナス成長になっていたのではないか。

それを隠すために、こんなに統計が破壊されているのではないか。

 

もっと深く知りたい方は、拙著「国家の統計破壊」を読んでいただきたい。

私が2019年に何度も国会へ行って追及した賃金偽装問題についても詳しく書いてある。

 

 

2019年の国会では、賃金偽装問題ではかなり追及したが、本丸であるソノタノミクス問題にたどり着く前に、時間切れになってしまった。

 

今度こそ、ソノタノミクスを追及しなければならない。

こいつがいわば統計問題の「ラスボス」である。

「今はデフレ」って、どこ見て言ってんの?

「今はデフレだから」というセリフをちょくちょく見かける。

一体どこを見て言っているのだろうといつも思う。

 

そもそもデフレとは何だろう。平成13年度年次経済財政報告における内閣府の説明を引用してみよう。

www5.cao.go.jp

ここでのデフレの定義は、持続的な物価下落という意味である。デフレという用語は、我が国では景気後退と物価下落が同時に起こることという意味で使われる場合もある。しかし、ここでは、国際的に通常使われる上記の定義を用いている

 

「持続的な物価下落」がデフレである。

では持続的に物価が下落しているのか。実質賃金算定の基礎となる数字であり、我々の体感に最も近い「消費者物価指数(持ち家の帰属家賃除く総合」を確認してみよう。

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データ元:総務省統計局

 

見てのとおり、アベノミクス以降、前年より物価が下がったのは2016年のみ。2020年が前年比横ばい。あとは全ての年で前年より物価が上昇している。

2020年と2012年を比較すると、7.2%も上昇している。

 

「持続的な物価下落」など起きていないことは一目瞭然である。

逆だ。物価は上がっている。

 

これは総合指数だが、食料だけに絞るともっと悲惨である。

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データ元:総務省統計局

アベノミクス以降、全ての年で前年を上回っており、2020年と2012年を比較すると、なんと13%も上昇している。

 

なんでこんなに急に上がっているのか。消費税増税の影響もあるが、それだけではこんなに上昇しない。

異次元の金融緩和で無理やり円安にしたからである。

円安になれば輸入物価が上昇するので、それは当然国内物価に転嫁される。

為替レートの動きを見てみよう。

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データ元:日本銀行

 

民主党政権時は1ドル80円ぐらいだったのが、アベノミクス以降、最も安い時で1ドル120円台を記録した。これは円の価値がドルに対して約3分の2になってしまったことを意味する。

 

さらに、通貨の真の実力を示す実質実効為替レートを見ると、今の円の実力は、1970年代前半と同レベルにまで落ちている。特にアベノミクス以降の落ち方が酷いのが分かるだろう。

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ただ、急速な円安と同じタイミングで、たまたま原油が暴落した。

最も円安が進行した2014年~2015年に、まるで崖から落ちるように原油価格が暴落しているのが分かるだろう。半分以下にまで落ちた。

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データ元:

www.eia.gov

 

 

原油は輸送燃料に使用される他、様々な商品の原材料になるので、これが暴落すると、物価の下落要因になる。

 

つまり、円安による物価上昇を、この原油暴落がある程度抑え込んでくれたのである。これが無ければもっと物価は上昇していたであろう。

 

2016年は前年より円高になり、原油価格も回復しなかったため、アベノミクス以降で唯一物価が前年より下がった。

 

それ以降は、また円安になり、かつ、原油価格がもとに戻ってきたので、再び物価が上昇した。

 

そして、問題は最近の傾向である。

円安が急に進行し、原油価格も上がり始めた。

円安+原油高の悪魔合体である。その影響で値上げラッシュが起きている。

 

ほしいものがあれば今のうちに買っておいた方がよいと思う。

 

 

ところで、物価だけに注目してはダメで、賃金と並べて見ないとほとんど意味が無い。

名目賃金、実質賃金、消費者物価指数を並べたグラフを見てみよう。

 

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データ元:厚生労働省総務省統計局

 

デフレばかりに注目が集まってきたが、アベノミクス前の時点の2012年は、物価のピークだった1998年の104.7と比べると、4.7ポイント程度しか落ちていない。なお今は107.2なので、日本の物価は史上最高水準である。

 

他方、はるかに深刻なのが名目賃金である。ピーク時の1997年の114.2と比較すると、アベノミクス前の2012年は、14.2ポイントも落ちていた。

 

14.2対4.7。

 

賃金下落率が物価下落率の3倍以上もあるのに、なぜかガン無視されている。

こんなに賃金下がったら、安いものしか買えなくなるんだから、物価が下がるのは当然だろう。なぜそれが無視されたのか。

 

私は経済に関する本をかなりたくさん読んできたが、「賃金下落をガン無視する」という傾向はほぼすべての本に共通していた。みんなどこ見てんの。

なんでこんなに下がってきたのか、非正規雇用の増大や低すぎる最低賃金も影響しているが、残業代の不払いも大きく影響していると思う。労働事件をたくさんやっているから分かるが、残業代不払いは本当に多い。ほとんどの企業はまともに残業代を払っていない。とんでもない長時間、無賃労働をさせている。だから賃金が上がらないのである。「残業代不払いは経済問題でもある」という意識を持たなければならない。

 

なお、日本がどれだけ異常なのか、OECD諸国と比較してみよう。

データが揃っている1996年を100とする名目賃金指数である。日本を含めて35か国分。

 

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データ元:OECD

日本は一番下の赤線である。なんと、このグラフにある35か国のうち、日本だけが唯一1996年を下回っているのだ。いやー、日本スゴイね。目先のコストカットに熱中して人間を使い捨ててきた結果がこれです。

 

 

ところで、日銀の目標は「前年比2%の物価上昇」、つまり、毎年2%物価を上げていくというものだが、これも名目賃金の傾向をガン無視した目標である。

 

実質賃金指数=名目賃金指数÷消費者物価指数×100である。

つまり、物価上昇率名目賃金上昇率が上回らなければ、実質賃金が下がってしまう。要するに生活が苦しくなる。

 

したがって、物価が毎年2%上昇するなら、名目賃金はそれ以上に上昇しなければならない。では、名目賃金の上昇率はどうなっているのか。

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データ元:厚生労働省

 

このように、最後に名目賃金前年比上昇率2%に達したのは1992年である。そこから28年もの間、一度も2%は超えていない。それどこからマイナスのオンパレードであり、1998年以降だと、1%を超えたのすら2018年だけである。

しかし、この2018年だけ急にピョコンと上がっているのは、統計をいじってごまかしたからである。詳しくは下記の拙著参照。この問題は国会でも追及されたし、私もそれに参加したのだが、結局問題がややこしすぎて国民の間に広まることは無かった。

 

 

ただ、2019年はそのインチキの後遺症も手伝って前年比マイナスとなっている。

自業自得である。

 

さて、このように名目賃金の傾向からすれば、いきなり物価を上げたら実質賃金が下がり、国民が困窮することは目に見えていた。そして、実際そうなった。さっきのグラフのとおり、実質賃金は2020年の時点で94.4。アベノミクス前より4.6%も落ちている。

 

なお、必ず「新規雇用者が増えて平均値が下がったから、実質賃金が落ちた」と主張するアホがいる。名目賃金の推移を見れば分かるとおり、2018年まで名目賃金は上昇している。平均値の問題であれば名目賃金も下がらなければならない。

 

単に物価上昇が名目賃金の上昇を上回ったから、実質賃金が下がっただけである。

さっきも書いたとおり、実質賃金指数=名目賃金指数÷消費者物価指数×100なのだから、「物価」を考慮に入れなければ、そもそも実質賃金の話にならない。しかし、平均値云々言う者に共通しているのは、全然物価に触れないことである。だから名目賃金の話にしかなっていないのだが、それすら気づいていない。

「私は実質賃金の算定方法を知らないアホです」と言っているようなものである。

 

この実質賃金の下落で日本のGDPの半分以上を占める実質家計消費はとんでもないことになっている。

 

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データ元:内閣府

 

2020年はコロナの影響だから仕方ないが、その前から悲惨である。

2014年~2016年にかけては3年連続して落ちている。これは戦後初である。

また、2019年は、6年も前の2013年より下である。この「6年前を下回る」というのも戦後初である。

結局、2013年以降全ての年で、2013年の数値を下回っている。戦後最悪の消費停滞である。もちろん消費税増税の影響もあるが、それだけではこれほど落ちない。円安による物価上昇が被さったことにより、こんな悲劇が生まれたのである。これも私以外指摘している人を見たことが無い。みんなどこ見てんの。一番大事なところなのに。

 

そして、今後待っているであろう事態は、さっきも言ったとおり、円安+原油高の悪魔合体である。

もう一度言うが、ほしいものは今のうちに買っておいたほうが良いと思う。値上がりする前に。

 

最後に、最近私が所属するブラック企業被害対策弁護団で本を発売したので宣伝しておく。なんで賃金が上がらないのかはこれを読んでも分かると思う。

 

 

 

 

 

ツイッターダイエット~17.6キロの減量と、その後~

2020年1月中旬、「そうだ、ダイエットしよう」と思い立ち、ダイエットした。

私の家系は遺伝的に糖尿病になりやすいので、太ったままだと発症する危険性があり、そろそろやばいと思ったのである。

下の写真はダイエットの前と後を並べたものである。

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厳密にいうと、左の写真は2019年4月8日に撮った写真であり、おそらく74キロ程度。ダイエット開始時の2020年1月中旬(何日かは忘れた)はそれよりもやや多く、75.6キロあった。

そして、右の写真は58キロ。2020年10月15日に撮影したものである。約9か月で17.6キロ減量した。脂肪が落ちたので顔のパーツが大きく見える。

 

どうやって痩せたかというと、次のとおりである。

 

1 毎日体重をツイッターで公開する。

2 朝はプロテインだけ。

3 昼食と夕食の摂取カロリーをだいたい1500キロカロリー以内に収める。

4 夕食は午後5時台に食べ、以降は何も食べない。

5 毎日40分~50分有酸素運動をする。

 

毎日体重をツイッターで公開したことはとても良いプレッシャーとなった。やはり「見られている」という緊張感があると全然違う。今まで幾度となく痩せようとして挫折したが、今回はツイッターの力を利用してうまくいった。だからこの減量を「ツイッターダイエット」と名付けた。

公開するなら毎日がいい。かつて私は週に1回体重をブログで公開するという方法でダイエットをしたことがあったが、めちゃくちゃになった。

平日は炭水化物をすべてカットし、体重測定(金曜朝)の前日はサウナに行って水を抜いて体重を減らし、体重測定後の夜はラーメン・ギョーザ・ビールの悪魔的コンポをキメてリバウンドする、ということを繰り返すようになったのである。

最後は全然減らなくなってしまったので、絶食+サウナで無理やり3日で3キロぐらい減らし、目標(その際は60キロ)を達成したことにして減量を止めた。そしてあっという間に元の体重に戻った。今回はその轍を踏まないよう、毎日公開することにしたのである。これだとインチキできない。

 

今回のダイエットにおいて、夕食の際に毎回ハイボールかグラスビールを1杯飲んでいたが、それはカロリー計算に入れていない。だから、昼食と夕食の合計摂取カロリーは厳密に言うと毎回1500を上回ってはいたと思う。なお、炭水化物カットはしていない。

有酸素運動については、いろいろ試したが、最後にフィットネスバイクに行き着いた。これを40分~50分、けっこう頑張って漕いだ。

ランニングをしていた時期もあるが、雨が降っていると走れない、ひざと腰を痛めやすい、外に出るのが面倒、といろいろデメリットがある。

フィットネスバイクは室内なのでそういったデメリットが無いし、テレビや本を読みながらできる。ただ、汗はめちゃくちゃ出るので汗対策は必要。

 

フィットネスバイクは下記のものを買った。約3万円。

このバイクの凄いところはほぼ全く音がしない点である。非常にお勧め。なお、こちらはセンサーがついていないタイプ。ついてるタイプもあり、値段が高くなる。

 

体重を減らす方法は、突き詰めれば単純である。毎日のカロリー収支をマイナスにし続けること。ただそれだけ。炭水化物をカットするダイエットが流行っているが、あれも結局は炭水化物カットによってカロリーもカットされているというだけなのではないかと思う。

 

食事をやや制限し、さらに有酸素運動をすれば、カロリー収支は毎日わずかにマイナスになる。それを継続すると、体重は上下動を繰り返しつつ、だんだん減っていく。

目標に達するまでの体重の推移を示したのが下記のグラフである。なお、アプリで体重を記録し始めたのは2020年の2月2日から。

 

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ペースは一定で、毎月2キロ程度減っていった。停滞した時期もあった気がするのだが、こうやってグラフにしてみると一定に見える。

最初のころは食事を減らすだけで減ったが、だんだん減りづらくなってきたので、有酸素運動の量を増やした。

 

ダイエットをする際に気をつけなければならないのは、急に減らしすぎないことである。急減するとリバウントしやすくなる。さらに、急減を狙って極端な食事制限をすると、摂食障害を発症する可能性がある。摂食障害は命にかかわる恐ろしい病気であり、一度罹患すると非常に治りづらい。だから、一気に体重が減ることを喜んではいけない。毎月1~2キロ程度減るのがちょうど良いのではないかと思う。この点を私は最も強調したい。

 

食事制限&有酸素運動が「習慣化」すれば、あとはあまり大変ではない。

最初の1か月を乗り切り、1~2キロの減量に成功すれば、波に乗れるだろう。

 

うまく減量できたのは、コロナで飲み会がすべてなくなったことも大きく影響しているとは思う。一気に酒と食事の量が減った。

 

このように、58キロまで減量したわけだが、現時点でそこから1年1か月以上が経過している。目標体重達成日から現在までの体重の推移が下記のグラフである。

 

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この1年1か月間、ずっと57キロ台~59キロ台で推移している。60キロを超過したことはない。

 

減量期と異なり、食事制限はしていない。食べ過ぎないようにはしている。

有酸素運動はほぼ毎日している。内容は減量期よりもハードになった。

サイクリングアプリのズイフトで週に4回はワークアウトを行い、1回あたり60分~80分運動している。消費カロリーは600~800キロカロリー。そして、週に1回はロードバイクで100~150キロ程度のサイクリングをしている。

サイクリングは減量期も行っていたが、ズイフトを始めたのは減量が終わってから。フィットネスバイクをワフーキッカーバイクというズイフトに接続できるものに買い替えて始めてみた。

 

これにより有酸素運動能力が飛躍的に向上した。週末はいろんな峠に行ってヒルクライムを楽しんでいる。頑張った分、自分の体が変化していくのは非常に楽しい。

 

有酸素運動を習慣化できたことが、体重維持の大きな要因である。一度習慣化してしまうと、「やらないと気が済まない」状態になるので、勝手に継続できる。

 

私はかなりゴリゴリにトレーニングしている方だと思うが、体重を維持するだけならここまでゴリゴリにやる必要は無い。40分~50分、普通のフィットネスバイクを汗が出る程度に頑張って漕げば十分である。私の場合、筋トレも並行してやっているので体重が維持されている。筋トレを止めればもっと落ちると思う。

 

減量してもリバウンドしては全く意味が無い。

したがって、ダイエットにおいて、目標体重まで減らすことは「入口」に過ぎず、それを維持することが本番と言ってよいかもしれない。

ズイフトとロードバイクにはまった影響で、今のところ維持はできている。健康診断で指摘された脂肪肝も解消した。体年齢は26歳で、実年齢より11歳若い。間違いなく、人生で一番健康な状態である。

これを体が動くかぎり維持し続けることが「ダイエット」なのだろう。

 

 

 

ところで、急に本の宣伝をする。

私が所属するブラック企業被害対策弁護団で、労働に関する本を最近出版した。二次利用フリーになっている漫画「ブラックジャックによろしく」を織り交ぜて、気軽に楽しく読める労働法の本になっている。

今までいくつか本を出してきたが、個人的にはデザイン的にも内容的にも一番気に入っている。物凄くサクッと読めるが、その割に非常に濃い内容にできたと思っている。

この本を読めば「労働に関連する法律について、会社が言っていることはだいたいウソ」ということが分かるだろう。一家に一冊置いてほしい本だと本気で思っている。