ここは日本。大学2年生の太郎は、授業をさぼって自宅のアパートで寝ている。そこへ、奇妙な生き物が訪れる。
うーん。誰だ、俺の顔をペタペタ触っているのは。。。ん!何だお前は!
おはよう。見てのとおり、妖怪です。
よ、妖怪?確かに見た目は妖怪っぽいな。まず名乗ってくれよ。
初めまして太郎。僕は妖怪モノシリン。この世界について色々なことを知っている。僕に知らないことは無い!凄いだろ!
いきなり自慢されても意味が分からないよ。どうやってここに入ったんだい?
窓をすり抜けてきた。妖怪はどこでもすり抜けられる。
気持ち悪いな。で、君は何をする妖怪なんだい?
自分が知っていることを、たくさん人間に話して、喜ぶ妖怪です。
そんなことして楽しいの?
君も自分が興味ある分野についてたくさん知っていることがあれば、誰かに話してみたくなるだろう。
僕は特に色々なことを知っているから、誰かに話したくてたまらないんだ。
たしかに俺もアニメのことになれば他人にたくさん話をすることはあるけども。君の仕事はそれなの?
人間と違って妖怪に仕事は無いから、仕事というわけではない。趣味だよ!
仕事しないで趣味に生きるなんてうらやましいな。僕もそんな風に生きてみたいよ。ところで、なんで僕のところに来たの?
まず、君はあんまりいろんなことを知らない。だから、話のしがいがある。
元々色々知っている人に知識を披露してもつまらない。「そんなこと知っているよ」といわれるだけだから。
それ、全然俺のこと褒めてないよね。
さらに、君はとっても暇そうだ。暇なら僕の話をたくさん聞いてくれるだろう。
何より、僕の長年の経験で分かるんだが、君からは人の話をよく聞く雰囲気が出ている。僕はそれを強く感じた。だから君のところに来た。
え~。これからずっと俺にくっついてくるの?君、目立つよ。みんな君を見て大騒ぎするよ。
大丈夫。妖怪パワーを使って、僕の姿は君にしか見えないようにしている。
実に都合のいい能力だ。だけどねぇ、君、何か僕の役に立つの。一方的にいろんな知識を披露されても俺は困るよ。
きっと僕は君の役に立つさ。手始めに太陽と地球と月の話を教えてあげようか。
断る。俺は眠い。まだ昼過ぎまで寝たい。
分かった。じゃあ聞かせてあげよう。
俺の意見は無視じゃないか。まあいいや。つまらなかったら俺は寝てしまうからね。
大丈夫だ。きっと面白くて目が覚めるよ。