【分かりやすくまとめると・・・】
・火薬は,それ自体に酸素が含まれている。だから,宇宙空間でも使用できる。
・火薬による爆発又は爆轟は,普通の燃焼よりもはるかに反応速度が速い。
・ダイナマイトは,危険なニトログリセリンを安全に使用できるようにした点が画期的だった。
火は,酸素と他の物質が激しく結合して発生することは説明したね。
うん。酸素が無いと火が発生しないことになるね。
そうなると,空気が無いところ,例えば宇宙空間では,火は発生しないのかな。
そうでしょ。あ,でもスペースシャトルなんかは空気が無いところでも火を出して飛んでいるね。どうしてだろう。
あれはね,火薬を使っているからなんだ。
火薬というのは,それ自体の中に酸素が含まれている。
例えば,人類が最初に利用した火薬である黒色火薬は,木炭,硫黄,硝酸カリウムから出来ている。
硝酸カリウムというのは,カリウム,窒素,酸素で出来ている物質だ。
その硝酸カリウムに含まれる酸素が,木炭や硫黄と反応して燃焼するわけだね。
火薬自体に酸素が含まれているから,空気の無いところでも燃焼するんだね。
そのとおり。そして,火薬が普通の燃焼と異なるのは,反応が早い,という点だ。
その急激な反応によって,凄い勢いで熱が発生する。
その熱が周辺の分子に伝わって,更に反応が促進されていく。
そうやって反応が瞬間的に伝わっていき,一瞬で分子が暴れまわるわけだな。
そうだ。熱が伝わって急激に分子が暴れまわり,空気が膨張するのが爆発だ。
そして爆発よりも更に激しい反応が爆轟だ。
これは化学反応が伝わっていく速度が音速を超えるものだ。
音速を超えると衝撃波が発生し,この衝撃波によって反応が起きていく。
熱で反応が促されるのではなくて,衝撃波で反応が促されるわけだね。
そうだ。人類は火薬の爆発又は爆轟を様々なものに利用してきた。
例えば,銃がそうだ。火薬が爆発する勢いで鉄の弾丸を飛ばしている。
火薬は戦争に利用されているイメージがあるね。
火薬は戦争だけに利用されているわけじゃないんだよ。例えば,トンネル工事で利用されている。
トンネルを掘るのは莫大な時間がかかるし,作業する人も危険にさらされる。
でも,火薬を使えば,作業が大幅に楽になるし,安全だ。
ダイナマイトって,そういう使われ方しているよね。
そうだ。ダイナマイトは,土木工事や鉱山採掘で活用されている。
ダイナマイトって,何が凄いの。
安全性だね。ダイナマイトというのは,ニトログリセリンという物質で出来ている。
これは非常に反応しやすくてすぐに爆発してしまうから非常に危険なんだ。
いくら爆発力が強くても,そんなに危険なら使い物にならないね。
そうなんだ。火薬は爆発力も重要だけど,安全性がなにより重要なんだ。
ノーベルという人が,このニトログリセリンを珪藻土に混ぜることにより,安全に使えることを発見したんだ。
ノーベルって,あのノーベル賞を作ったノーベル?
そうだ。彼が発明したダイナマイトはその後進化して,今も世界中で活用されている。
そして彼の遺言により,彼がダイナマイトで得た莫大な利益は,ノーベル賞の主催のために活用されている。
それでは次に,火薬を利用する道具,銃と大砲について説明しよう。
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