【分かりやすくまとめると・・・】
・銃は金属の筒の中で火薬を爆発させてその勢いで弾丸を発射するもの。
・薬莢の発明によって火薬をより速く爆発させることが可能になり,弾丸を回転させることによって弾丸をより正確に命中させることが可能になった。
・弾丸を発射した後の銃の反動を利用することにより,素早い連射が可能になった。
銃というのは,金属の筒の中で火薬を爆発させ,その勢いで金属の弾丸を発射している。
このような兵器が最初に作られたのは,1355年の中国と言われている。
この時使用されていたのは,硝石,硫黄,木炭を混ぜた黒色火薬だ。
初期の頃の銃は,狙いを定めた後,火のついた棒や縄を手で火薬に押し当てなければならなかった。
それじゃあ狙いが定まんないね。一度標的から目を離して火薬に火をつけないといけないからね。
そうだ。そこで,引き金を引くと火のついた縄が火薬の置いてある皿に落ちる仕組みが考え出された。
引き金を引けばいいだけだから,標的から目を離さないで済むね。
ひょっとして,それは火縄銃のこと?
そうだ。火縄銃は日本にも伝わり,爆発的に広まった。
作者:Gnsin
ただ,火縄銃は縄にずっと火をつけていなければならないから不便だ。
そこで,火打ち石を使う方式が考え出された。
これは,引き金を引くと,ばねの力で火打ち石が当金にぶつかり,その際に生じる火花で火薬に点火する方法だ。
火縄を持ち歩かないでいいから便利だね。
そうだね。次に,雷管を使って火薬に火をつける方法が編み出された。
雷管というのは,雷汞(らいこう)という物質を詰め込んだ金属製の小さな入れ物だ。
雷汞は叩いたり強くこすると爆発する性質を持っている。
引き金を引くと撃鉄が雷管を叩き,それによって雷汞が爆発し,火薬に火が付くという仕組みが作り出されたんだ。
これによって,火薬がより速く爆発することになる。
こうして引き金を引いてから弾丸が発射されるまでのタイムラグが大幅に減った。
次に,弾丸に回転を与える方法が考え出された。
どうやって回転させるんだい?
銃の内部に浅い螺旋状の溝を彫るんだ。そこを弾丸が通ると,溝の影響で弾丸が回転する。
作者:baku13
それって,なんのために回転させるの?
ジャイロ効果によって,弾丸をより遠く,より正確に飛ばすためさ。
ジャイロ効果というのは,物体を回転させると,姿勢が乱されにくくなる現象のことさ。
コマを思い浮かべてごらん。回転しているうちは安定していて,倒れないだろう?
そうだね。あれもジャイロ効果なんだね。
ちなみに,銃内部の溝によって,弾丸に痕ができる。これを施条痕という。
施条痕は銃によって異なるから,犯罪捜査に利用されている。
弾丸の施条痕を調べれば,犯罪に使われた銃が特定できるというわけだね。
銃の指紋みたいなものだな。
そうだね。次に,連射できる方法が考え出された。
これは,火薬と弾丸を入れておく薬室を6つ作っておき,撃鉄を起こすとそれが回転するようにしたものだ。
作者:Stephen Z
西部劇なんかでよく見るリボルバー式の銃だね。
そうだ。撃鉄を起こして引き金を引く動作を繰り返せば,とりあえず6発は連続して撃てる。
それまではいちいち一発ごとに銃の先から火薬と弾丸を詰めて撃っていたからね。
次に,打ち出す弾の方にも工夫が加えられた。
これは薬莢というケースに弾丸と火薬,雷管を一緒に入れてしまう方法だ。
作者:Mike Brown (UNHchabo)
この全部一緒にしてしまったものを実包と呼んでいる。
いちいち銃の先から弾丸や火薬を詰めないでいいから楽だね。
そうだ。この実包が登場したことにより,銃の先からではなく,銃の元から弾丸を入れることが可能になった。
これを元込式の銃という。先込式の銃より発射回数を多くできる。
さらに,発砲した際の銃の反動を利用し,実包を出し入れする方法が考え出された。
これが機関銃さ。引き金を引いている限り,発砲の反動で連続的に実包が装填されて発射が繰り返される。
どんどん速く撃てるようになっていったわけだね。
ところで,大砲というのは,銃を大きくしたものだと思えばいいのかな。
うん。基本的に同じような仕組みだ。
ただ,大砲の場合,砲弾の方にも火薬が詰まっていて,それが爆発するから銃よりも威力が当然高い。
人を殺すための道具が進化していく過程を知ると,なんだか複雑な気持ちになるね。
そうだね。銃や大砲は今でも進化を続けている。
では次に,その銃や大砲の材料である金属について説明しよう。
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