【分かりやすくまとめると・・・】
・生命は代謝を行っている。代謝とは,外から取り込んだ物質を合成したり,分解すること。また,生命は自力で増殖できる。
・ウイルスは代謝をしないし,自分の力では増殖することもできない。だから生命なのかどうか微妙。
・ウイルスは,憑りついた細胞に自分のコピーを作らせている。
生命は代謝というものを行って生きている。
代謝というのは,外から取り込んだ物質を分解したり,逆に合成したりすることだ。
これによって,生命はエネルギーを作ったり,自分の体を作ったりしている。
代謝は大きく異化と同化の二つに分けられる。
異化とは分子を分解することだ。例えば呼吸がそうだ。
呼吸は,酸素を使って,炭水化物を二酸化炭素と水に分解して,エネルギーを作り出している。
分解するときに出るエネルギーを利用して体を動かしているわけだな。
そうだ。そして,同化というのは異化の逆で,取り込んだ物質を元に分子を構成することだ。
例えば,リボソームがタンパク質を作り出す働きが同化だ。このときは逆にエネルギーを消費する。
生命は外から取り込んだものの組み合わせを色々変えて生きているんだね。
それはつまり化学反応を起こし続けているわけだな。
そう。そして,同化と異化を助けるのが,酵素だ。酵素はタンパク質の一種だよ。
酵素というのは,工具のようなものだ。接着剤,はさみ,ノコギリ,ハンマー等を思い浮かべるといい。
その工具を使って,物質を分解したり,合成したりしているわけだな。
そう。ちなみに,酵素は判明しているだけでも3000種類以上ある。
そして,それぞれ作用する対象物質が違う。
組み立てる材料によって,工具も異なるわけだな。
そうだ。じゃあここで本題に入ろう。ウイルスは代謝を行っていない。
え?じゃあどうやって生きているのさ?
そこが微妙なんだ。ウイルスは細胞を持っていない。
DNA又はRNAを持っていて,それをタンパク質が包んでいる。
遺伝子は持っている,ということだね。どうやって増えるのさ?
自分の入り込んだ生物の細胞を勝手に利用するんだ。
生物の体の中に入ると,ウイルスはその細胞にくっつく。
細胞は,ウイルスを何か役にたつ物質だと勘違いして,自分の中に取り込んでしまう。
そして,ウイルスは,細胞の酵素を使って,自分と同じDNA又はRNAを合成させる。
そしてその情報が細胞のリボソームに伝わり,ウイルスが作成されることになる。
工場に忍び込んで,製造機械にデータを入れて,勝手に製品を作り出してしまう感じだね。
そうだ。こうやって他の細胞を使って自分を増殖させていき,やがて細胞膜を破って外に出ていく。
さんざん細胞を利用しておいて,最後は壊して出ていくなんて,恩知らずな奴だな。
そうだ。このように,ウイルスは単独では生きていけない。
必ず他の生物の細胞に憑りついて生きている。
自分で代謝しないし,増殖もできない。だから,ウイルスは生物であるかどうかが微妙なんだ。
細菌はどうなの?
細菌は単細胞生物だが,自分で代謝を行い,増殖もできる。
細菌とウイルスってどちらが大きいの?
細菌の方がはるかに大きい。単細胞とはいえ,中に色々な機関を持っているからね。
ウイルスはDNA又はRNAをタンパク質で包んでいるだけだからな。
ウイルスの方がはるかに小さいから,ウイルスが発見されたのは細菌よりも後だったんだよ。
ところで,インフルエンザウイルスって,必ず冬に流行するけど,夏はどこにいるんだろうね。
どこにいるんだろうねえ。僕も知らないや。
インフルエンザの予防接種をしても,インフルエンザにかかる場合ってあるよね。あれは何で?
ワクチンの型があっていないからだろう。インフルエンザにも色々種類があるからね。
それに,インフルエンザは比較的変異しやすいからね。
遺伝子のコピーミスが起きやすいウイルスだということだな。
そういうことだね。じゃあ次はウイルスとも関係がある癌について説明しよう。
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