【分かりやすくまとめると・・・・】
・銀行の役割は,お金を持っている人とお金を必要とする人を結びつけてお金の流れを良くすること。人体でいうと心臓のような役割を果たしている。
・お金はお金を生む。だから,お金の流れが良くなれば,さらにたくさんのお金が生まれていく。
・お金を発行する中央銀行は,お金を貸す際の利率を高くしたり低くしたりすることで,世の中に流れるお金の量を調整している。
貨幣を預けて,預かり証として紙幣を発行していたのが銀行とさっき説明したね。
うん。銀行って,お金を預けるところ,というイメージがあるね。
そうだね。個人でたくさんのお金を保管していると,盗まれたり無くしたりする危険があるから,皆銀行にお金を預ける。
銀行は,預かったお金をただそのままにしてるわけではない。
お金を必要とする会社等にお金を貸しているんだ。
そして,利息をとって利益を出している。
利息というのは,お金のレンタル料のことだ。
例えば,100万円を年5%の利息で銀行から借りて,1年後に返す場合,返す金額は105万円になる。
5万円がレンタル料ということだね。
会社って,みんな銀行からお金を借りて商売しているの。
ほとんどの会社はそうさ。太郎,例えば,君が何か新しい製品を開発して,売ろうとする場面を想像してごらん。
製品を作る施設や材料が必要だからそれを買うお金が必要だね。
それに人も雇うだろうから,その人に支払う給料も必要になるね。
何か商売をしようと思ったら,まずそれをするためのお金が必要になるということだな。
だけど,製品を売って利益が上がるのは大分先になる。
そうすると,たくさん自己資金がある人でもない限り,商売を始めることができないね。
そのとおり。何か商売をするには利益を出す前にまずお金がかかる。
だからお金を借りることになるわけだね。
自己資金のみでやっていく道もあるけど,それでは規模の大きな商売はできないだろうね。
そうだ。銀行は,お金を持っている人と,お金を必要とする人を結びつける役割を果たしているんだ。
銀行の機能としては,他に決済や両替等がある。
決済というのは,要するにお金の支払のことだ。
銀行振り込みでお金を支払う場合なんかがそうだね。
そうだ。銀行を通じて決済することで,色々な場所にいるたくさんの人との取引が可能になる。
両替というのは,他の国の通貨と交換したりすることかな。
そうだ。これによって,外国の人とスムーズに取引をすることが可能になる。
なお,銀行は決済や両替をする際に手数料をもらって利益を得ている。
お金を血液に例えるならば,銀行の役割は心臓だ。
お金を色々なところに送り出して,お金の流れをよくしているということだね。
そうだ。預けたお金を課すことも,決済も,両替も,全てお金の流れを良くすることに役立っている。
ここで重要なのは,お金はお金を生み出すという点だ。
貸したお金は利息がついて戻ってくる。
そして,お金をかけて作られた商品は,それが売れればかかった費用よりもたくさんのお金を生む。
銀行がお金を色々なところに送り出しているおかげで,よりたくさんのお金が生まれているんだね。
そうだ。そうやって経済は成長していく。銀行は経済にとって不可欠の存在なんだ。
ところで,銀行の銀行と言える存在が,各国の中央銀行と呼ばれるところだ。
ここは紙幣を発行したり,民間銀行にお金を貸したりしている。
日本でいうと日本銀行のことだね。
そうだ。そして,中央銀行は,利率を調整して経済のバランスを整えている。
太郎,例えば,君が銀行から100万円を借りることを検討しているとしよう。
つい最近まで利率5%だったのが,いきなり10%に上がったら,借りようと思うかい?
返す利息が倍になっちゃうから,借りる気が減るね。
そうだ。このように,利率が上がってしまうと返す金額が高くなるので,お金を借りようとする人が減る。
お金を借りようとする人が減るということは,世の中に出回る金が減るということだ。
太郎,逆に利率が5%からゼロになったらどうする。
利息無しでいいということだから,借りたくなるかな。
そうだろ。こうして利率を下げればお金を借りようとする人が増えて,世の中に出回るお金が増える。
そうやって利率を上げ下げして,世の中に出回るお金の量を調節しているんだな。
お金はたくさん出回った方がいいから,利率は低い方がいいということにならないの?
良い面ばかりとは限らない。世の中に出回るお金が増えると,物価が上昇する。これをインフレーションという。
インフレーションが起きると,例えば君の預けていた預金の価値が下がることになる。
君が100万円預金していて,かつ,100万円で買える車があったとしよう。
物価が上昇してその車の値段が倍の200万円になってしまったらどうなる。
前は100万円の預金で買えたのに,倍額じゃないと買えなくなる。それは実質的に預金が半分になっちゃうのと同じだね。困るな。
そうだろ。インフレはそのようにお金の価値が下がってしまうんだ。
ただ,逆に世の中に出回る金が減って物価が下がっても困る。
物価が下がるのをデフレーションという。
物価が下がれば,会社の利益が減り,会社の利益が減れば,給料が減る。
給料が減っちゃえば,物を買うことに使われるお金が減っちゃうね。
そうなるとさらに物価を下げないと物が売れないことになるから,悪循環が繰り返されてどんどん物価が下がるね。
そうだ。そうやって景気がどんどん悪くなっていく。
物価が上がり過ぎたり下がり過ぎたりしないように利率を調整する必要があるんだね。
そうだ。次は車輪の話をしよう。銀行はお金の流れを良くする役割を果たしているけど,車輪は物や人の流れを良くすることに貢献している。
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